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安藤優子キャスターショック サイン本が105円で叩き売り

 著名人の肉筆サインはファンにとって垂涎(すいぜん)の的だ。フジテレビ「スーパーニュース」の顔、安藤優子キャスター(50)のそれも例外ではないはず。ところが、安藤キャスターの直筆サイン入り著書が流出したのは意外な場所。しかも、極めてトホホな破格の値札が付いていた。

 安藤キャスターの著書「以上、現場からでした。」(マガジンハウス刊)が出版されたのは、2003年のことだ。ニュース・キャスターとしての体験を記したエッセイで、現場取材にこだわる安藤キャスターのホンネが読み取れる作品。定価1500円(税込み)で、初版で1万5000部発行された。
 記者がこの著書を入手したのは、都内の古書店「ブックオフ」でのことだ。最安値の「105円」の棚に、無造作に並べられてあった。表紙を開かないと分からないが、見返しの部分には、太いマジックペンで安藤キャスター直筆と見られるサインと日付、そして、自著を宛てたと思われる相手の名前がはっきりと記されている。
 著者が自らの作品である著書にサインやメッセージをしたためて贈るのは、世話になった相手への献本や、出版記念サイン会などでの読者サービスが考えられる。日付が残る2003年12月6日には、東京・八重洲ブックセンターで、安藤キャスターのサイン会が読者100人を対象に行われている。
 比較的珍しい名前の送り先相手は、どうやら著名人ではなさそう。インターネットの検索サイトに掛けたところ、同姓同名者が都内の建設会社に勤務していることが分かった。サイン本は、会場で読者であるこの男性会社員に対し贈った物と見られる。
 せっかくのサイン本が、売りに出された揚げ句あまりにも廉価で流通していることに著者として失望感はないのか。記者は、フジテレビを通じ安藤キャスターの個人事務所にサインの真偽確認も含め取材を申し込んだが、6月25日現在、回答は来てない。

 一方、「大切な」サイン本を手放したと見られる会社員にも、その真意や売値などをたずねようとアクセスを図ったが、同様に色よい返事はない。
 「売ってくださった方の名前や書き込みが残っているものは買い取りません。売り場でも確認しているはずなんですけど、どうしてもヒトの目なのでチェックが甘くなってしまうこともあるようです」
 ブックオフコーポレーション(本社・神奈川県相模原市)コーポレート・コミュニケーション室の担当者は、取材にこう語る。
 しかし、店頭で棚に並ぶ古書をめくると、ページに個人情報と思われる書き込みが記されたままになっているものや、信書のような紙片がはさまっていることは少なくない。「このたびは、わたくしの原稿を評価してくださり、まことにありがとうございます。わたくしの過去の著作をお送りいたします/直接お会いしていただける場合には、喜んで東京までお伺いします」という内容の、セミプロと思われる作家が出版社に宛てた、悲壮感漂う手紙がしおりのようにはさまれたままになっているこの作家の「献本」も、105円の棚にあった。
 ブックオフは直営・加盟店合わせて全国約1000店舗を展開。従来の業界の古臭いイメージを払拭し、集客を挙げているが、その半面、「店員に目利きが少なく、正当な価格で買い取ってくれない」とするユーザーの声もある。
 また、新刊本が発売後数日で古書として廉価で棚に並ぶことも多く、出版不況の原因を作っているとの業界の指摘もある。講談社、小学館、集英社の出版大手3社と大日本印刷グループは、筆頭株主のファンド2社の保有株式をこのほど取得。ブックオフが開拓した「出版物の二次流通市場」に介入することになった。
 しかし、株式譲渡で守られるのは出版元の利益のみ。買い取り窓口や売り場では、従前どおりの甘い体制で商品が流通すると考えられる。ユーザーとして古書店に蔵書を持ち込む際には、他人の目に触れれば自らの利益を害する情報がはさまっていないか、全ページを丹念にチェックする必要がありそうだ。

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