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新幹線自爆テロより恐ろしい “待機老人”52万人の大暴走が始まった!(1)

 東海道新幹線の車内で71歳の男が焼身自殺を図り、乗客ら27人が死傷した事件は、日本国民にあらゆる課題を突きつけた。
 まずは新幹線の「安全神話」の崩壊。手荷物検査がなく、急な移動でも手軽に利用できていた利便性を逆手に取られたため、今後は徹底的な対策が必要になる。

 もう一つの大きな問題は、貧困にあえぐ年金生活者の実態だ。痛ましいこの事件は、職業不詳の林崎春生容疑者が自暴自棄になって起こした“自爆テロ”だったが、動機は生活苦の可能性が高いという。
 神奈川県警担当記者の話。
 「東京・杉並区の風呂なしアパートに住んでいた林崎容疑者は、支払い期限までに約4万円の家賃が収められていませんでした。同容疑者の出身地の岩手県には75歳の姉が住んでいますが、事件前の6月20日頃に『月12万円では暮らせない。国会の前で自殺するわけにもいかねえしな…』と打ち明けていたそうです。所持品からは1円も見つからず、貯金もありませんでした。自殺の原因は借金だったとみられます。実際、容疑者の自宅からは、消費者金融や個人宛てに借金を返済した明細書が約200枚も出てきています」

 国民年金の平均受給額は、月額5万4544円(2013年度)。国民年金のみで暮らしている老人はおよそ1000万人で、そのうち3万円未満の受給者が100万人もいるという。厚生年金分があったと思われる林崎容疑者は、まだ恵まれていた部類といえる。
 「ただし、容疑者は扶養親族がいないので、公的年金控除額(12万円の25%)を引いた額の10%が所得税となり、介護保険料(月額約5000円)も引かれて、手取りは約7万6000円くらいです。そこから家賃4万円、水道・光熱費、国民健康保険料を引くとほとんど残らない。働いていないのに家賃負担もあるのは大きい。これは、住宅ローンがこの年齢で残っている場合も同じです。近くのスーパーで、たばこ(エコー250円)やビール系飲料、カップ酒を購入していたとのことですが、食費をどうやって捻出していたのか…」(杉並区の社会福祉士)

 70歳の男が就活をしようとしても、ハローワークやシルバー人材センターには、生活を維持していけるだけの仕事はない。
 「高齢者の万引きが社会問題化しているが、貧しさからやむにやまれずというケースがほとんどです。アベノミクスによる円安で食料品は値上がりし、生活はますます困窮。この夏はクーラーも使えず、熱中症で倒れる老人が続出するかもしれません」(高齢者問題に詳しいジャーナリスト)

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