佐々木朗希
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スポーツ 2022年03月26日 11時00分
ロッテ・佐々木に致命的な問題、球界OBの指摘に「着眼点が違う」感心の声 本人も深刻さを自覚していた?
野球解説者・江川卓氏(元巨人)が22日、自身の公式YouTubeチャンネルに動画を投稿。ロッテのプロ3年目・20歳の佐々木朗希にまつわる発言がネット上で話題となっている。 今回の動画で江川氏は今季のパ・リーグの順位予想や、自身が気になっている複数名の選手について話した。その中で、5日のオープン戦・ソフトバンク戦での佐々木の投球に見られた不安要素を指摘した。 >>巨人・菅野の重大リスクを球界OBが指摘「必要性を感じない」 昨季の大不振を招いた要因とは<< 同戦がオープン戦初登板だった佐々木は、ソフトバンク打線相手に「5回無失点・被安打2・9奪三振」と好投。全65球中23球で160キロ以上を計測し、2回裏2死で迎えた中村晃から空振り三振を奪った際には自己最速タイの163キロを記録している。 ただ、この日の佐々木の投球について、江川氏は「スピードが出るのはいいんですけど外のボールが少し、手から回転が漏れるって言い方が正しいんですけど、シュート回転気味になるっていうのがちょっと僕は修正したいなと(感じている)」とコメント。球速は出ているものの、シュート回転して甘いコースに球が行っている節が見受けられると指摘した。 一般的にシュート回転は“肩・ひざの開きが早い”、“リリース時に人差し指に力が入り過ぎる”など、投球時の投げ急ぎや力みによって生じるとされている。このこともあってか、江川氏は「ちょっと抑えることによってアウトローにスッと(入って)ストライクになるので、そうすると投球がもっと楽になるのになと(思う)。球数も減っていきますから」と、改善のために体の力をうまく抜いて投げた方がいいのではと主張した。 この江川氏の発言を受け、ネット上には「160キロ連発してる中でそんな課題を露呈してたのは気付かなかった」、「素人目にはいい投球にしか見えなかったけど、球質が気がかりって見抜くのは着眼点が違う」、「大体のファンやメディアが163キロに注目する中、球の回転が良くないって指摘するのは鋭いな」と驚きの声が挙がった。同時に、「本人が降板後に手応え無さそうだったのはこれが原因だったのか?」、「そういえば5日の試合は本人も調子今一つでした的なこと言ってたな」と、登板後の本人の感想を思い返すコメントも多数みられた。 「5日・ソフトバンク戦に登板した佐々木については、球団公式YouTubeチャンネルが登板前後の様子に密着した動画を6日に投稿しています。その中で、佐々木は降板直後に感想を聞いてきた撮影スタッフに対し、『いやー、あんまり今日調子良くなかったんですけど』と苦笑い交じりに答えました。不調の理由が何なのかについては触れませんでしたが、今回江川氏が指摘したシュート回転を本人も自覚していた可能性はあるかもしれません」(野球ライター) その後、オープン戦ラスト登板の18日・巨人戦では「4.2回5失点(自責4)・被安打5・8奪三振」と、三振は稼ぎながらも打ち込まれている佐々木。この試合では巨人・岡本和真に、捕手が構えた外角低めのコースから大きく内に入った直球を満塁弾にされる場面もあったが、シーズンでは球筋を修正した投球を見せることはできるのだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用について江川卓氏の公式YouTubeチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCrmppJ31jdU7GDVupoSbl0Q千葉ロッテマリーンズの公式YouTubeチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UC6qnjAoknKc6nUwhxVYL_DA
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スポーツ 2022年03月18日 11時00分
ロッテ・井口監督、平沢を開幕スタメンに抜擢? 新助っ人本格合流の巨人戦で最終判断下すか
巨人の新外国人選手よりも、“遅れてきた天才”が見たい! オープン戦も「残り4試合」。3月18日から巨人対千葉ロッテの2連戦(東京ドーム)が行われる。巨人・原辰徳監督がポランコ、ウォーカーの両新外国人選手の昇格とスタメン起用を“予告”したため、各メディアは同日の先発が予定されている佐々木朗希との対決を注目ポイントに挙げていた。 「佐々木の球速に、現役メジャーリーガーのポランコも驚くはずです」(ベテラン記者) メジャー通算96本塁打のポランコと日本の剛速球王の対決。興味深い対決になりそうだが、それ以上に注目したい選手がいる。プロ7年目、その才能がようやく開花した平沢大河だ。 >>ロッテ・井口監督、不振続く平沢に“最後通告”? 来季に期待も「ラストだと思ってやってくれる」本音を漏らしたか<< この巨人戦でも“結果”を出せば、井口資仁監督も開幕オーダーの変更を本気で考え始めるのではないだろうか。 「ドライチルーキーの捕手・松川虎生(市立和歌山)も開幕スタメンマスクの可能性も見えてきました。オープン戦首位打者の高部瑛斗も好調をキープしています」(スポーツ紙記者) 千葉ロッテのオーダーは大幅に変更されそうだ。 平沢は2015年のドラフト会議で1位指名されたが、期待された打撃面でなかなか結果を出せずにいた。 「今季がラストチャンスみたいな雰囲気も、漂っていました」(球界関係者) 昨季、ファームではチーム最多となる380打席をもらった。しかし、打率は2割3分台であり、一軍合流もキャンプ終盤になってしまった。 「今年に懸ける思いが強かったのだと思います。一軍合流が遅れたのはコロナ感染によるものですが、今までの平沢なら、この時点で精神的に折れてしまいました」(前出・同) 高校時代から“スター選手”だった。プロでレギュラー定着が果たせなかった理由として、天才選手にありがちな危機意識の欠落を指摘する声も聞かれたが、本当にそうだろうか。近年の春季キャンプ、オープン戦中のチームを見てきたが、練習量はむしろ多い方である。 キャンプ地・石垣島には先乗りし、室内練習場でバットを振り、オープン戦の移動中も空きスペースを見つけて「特守」を志願していた。こうした努力が報われたのではないだろうか。 もっとも、二遊間には中村奨吾、藤岡裕大、エチェバリアなどがいて、“即レギュラー奪取”とはいかないだろう。 「井口監督から平沢の名前が出ることも多くなりました。三塁、外野も守れますし、オープン戦で結果を出してきたので、なんとかしてやりたいと思っているはず」(プロ野球解説者) ここまでの打撃成績は、打率3割6分8厘。オープン戦の規定打席数には到達していないが、「3年ぶりの開幕一軍」は間違いなさそうだ。 平沢の放つ打球には“伸び”がある。3月5日のソフトバンク戦で放ったフェンス直撃の二塁打だが、中堅手は目測を見誤り、打球を追うのが遅れた。 事前情報ではあるが、18日は巨人のポランコ、ウォーカーの両外野手も守備に入るという。佐々木の快速球にきりきり舞いさせられた後、平沢の打球にも驚くのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2022年02月23日 11時00分
今季のプロ野球、ヤクルト奥川・オリ宮城級の逸材が出現? マエケンを驚かせた選手も、ブレーク必至の高卒2年目投手
昨季はセ・リーグがヤクルト、パ・リーグはオリックスがそれぞれ頂点に立ったプロ野球。2020年シーズンで最下位に沈んだ両チームの“下克上”は多くのファンに驚きをもたらした。 その2021年シーズンで目立ったのが、ヤクルト・奥川恭伸(18登板・9勝4敗・防御率3.26)、オリックス・宮城大弥(23登板・13勝4敗・防御率2.51)、ロッテ・佐々木朗希(11登板・3勝2敗・防御率2.27)ら高卒2年目投手の活躍。奥川は新人特別賞、宮城は新人王に選出されるなどその成績は高く評価されたが、今季高卒2年目のシーズンを迎える投手の中にも、奥川らのように台頭する可能性を秘めた選手がいる。 >>ヤクルト、リーグ・日本一2連覇は中村次第か 奥川・高橋らが抱える難題解消へ高津監督も動く?<< 中日・高橋宏斗は昨季二軍で「14登板・0勝5敗・防御率7.01」と失点はかさんだものの、たびたび150キロ超のストレートを投じるなど才能の片りんを見せる。オフの契約更改では「ライバル意識ではないが、自分もそれぐらいやらないといけないなと思います」と次シーズンは奥川らのように活躍すると宣言し、下半身強化や投球フォームの修正に励んだ。 迎えた今春キャンプ。初の一軍メンバー入りを果たした高橋は、11日に行われた紅白戦で「2回無失点・被安打0」と完璧な投球を披露。翌12日にはツインズ・前田健太が自身の公式ツイッターに「YouTubeで紅白戦をちょっと見ただけですが中日の背番号19のピッチャー良くないですか?」と驚きの旨を投稿したことも話題となった。中日は昨季先発防御率がリーグ2位(3.37)だったが、高橋がこのまま好投を続けローテ入りするようなら、さらに先発陣が強固になる可能性は十分だ。 広島・小林樹斗は昨季、球団から体づくりに重きを置く「強化指定選手」に指定され肉体強化に励むかたわら、二軍で「8登板・0勝2敗・防御率3.30」とまずまずの数字をマーク。一軍のシーズン最終戦となった11月1日・ヤクルト戦では先発に抜擢され、「4回6失点(自責4)・被安打6」と好投はならなかったが貴重な経験を得た。 一軍スタートとなった今春キャンプでは、エース・大瀬良大地に緩急の使い方についてアドバイスを求めるなど開幕ローテ入りへどん欲な姿勢を見せている小林。4番手として起用された16日の練習試合・DeNA戦では「3回無失点・被安打1」と好投を見せ、佐々岡真司監督も「甘いところにいっても直球の強さで抑えられていた」と称賛したことが伝えられている。広島は大瀬良、九里亜蓮、森下暢仁に次ぐ先発がまだ固まっていない状況のため、小林にはこのまま好アピールを続けローテ枠を埋めることが期待されている。 体作りを徹底したプロ1年目を経て飛躍した佐々木のスタイルを踏襲しているのがロッテ・中森俊介。プロ1年目だった昨季は球団方針もあり、一・二軍通じて1試合も登板せずに肉体強化やフォーム固めに専念。オフの契約更改では「まずは二軍でしっかりと投げて、一軍に呼んでもらって力になりたい」と堅実な目標を掲げた。 ただ、井口資仁監督は早い段階での一軍起用を構想しているのか、13日に中森を二軍から一軍に昇格させると、17日の練習試合・巨人戦では2番手として起用。このチャンスに中森は「1回無失点・被安打1」と結果で応えたが、この調子なら先発・リリーフの両面で一軍で積極起用される機会も増えそうだ。 奥川を擁するヤクルト、宮城が独り立ちしたオリックスは1位、佐々木が本格化したロッテは2位と、昨季の高卒2年目投手たちはチームの上位進出に大きく貢献している。以上に挙げた3名も、奥川らのようにチームを勝たせる活躍を見せることはできるだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用について前田健太の公式ツイッターよりhttps://twitter.com/maeken1988
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スポーツ 2021年11月11日 12時05分
ロッテ・井口監督、佐々木の前倒し起用を計画? 黒星発進で崩れたCS突破への青写真とは
クライマックスシリーズ・ファイナルステージ(以下=CS)が始まった(11月10日)。セ、パともにペナントレース優勝チームが勝利した。下克上をめざす巨人、千葉ロッテから見れば、Vチームが持つ「アドバンテージ1」と合わせて、連敗スタートとなったのも同然だろう。 >>ロッテ訴訟騒動の清田を助けたのは「許そうと思ったから」 G.G.佐藤氏が明かした理由に驚き、疑問の声も<< しかし、千葉ロッテ・井口資仁監督が試合後にこぼしたセリフが気になった。 「また明日。切り替えて…」 スコアは、0対1。オリックスの先発投手・山本由伸に手も足も出なかったと言っていい。完封勝利を許したわけだが、放ったヒット数は僅か4。5回以降はノーヒットだ。 指揮官のひと言は、一見、なんてことのないものだが、どうして気になったかと言うと、移動日となった8日、井口監督は第4戦以降の展開も口にしていたからだ。 「そういう星の下に生まれてきたと思う」 記者団との話題は、CSファーストステージ第1戦で先発した佐々木朗希についてだった。ポストシーズン・マッチの初戦、精神的プレッシャーも掛かる大舞台で6回被安打4、失点1(自責点ゼロ)は、大したもの。プロ入り最速となる159キロもマークしており、井口監督も高く評していた。また、次回登板について聞かれると、中6日、CSファイナルステージ第4戦(13日)での先発を示唆していた。 「井口監督はファイナルステージ初戦を勝つつもりでいたのではないか。終盤戦以降、最も信頼を置くピッチャーは佐々木です。オリックス相手に4連勝、佐々木で日本シリーズ進出を決めるとまでは言わないが、オリックスの山本に勝って、2、3戦目で『1勝1敗』の計算を立てていたと思う」 パ・リーグの中継を担当することの多いプロ野球解説者がそう言う。つまり、この時点では、第4戦に投げる佐々木で日本シリーズ進出に王手を掛ける、と。 「山本は最多勝など投手タイトル4冠に輝いた好投手です。でも、その山本に対し、対戦成績で2割6分9厘と相性の良さを唯一見せていたのが、ロッテ打線でした」(プロ野球解説者) その山本に敗れた以上、佐々木の投げる第4戦は、「オリックスの日本シリーズ進出を掛けた大一番」になる可能性も出てきた。 注目度の高い試合で投げることになったのも、「そういう星の下で-」の運命か…。 「井口監督は佐々木に期待している反面、やはり高卒2年目の投手に余計な重圧は掛けたくないとも考えています」(スポーツ紙記者) 佐々木は「令和の怪物」と呼ばれているが、昭和、平成の時代の怪物とは雰囲気が異なる。走者のいない場面でもセッポジションで投げるからか、好投している場面でも悲壮感が漂っている。身体がまだ細いせいもあるが、圧倒的な剛速球を持っていても、「大丈夫か? 頑張れ」と言いたくなるようなところもある。 その悲壮感と、対戦バッターを見逃し三振に切って落とす圧倒的な力のギャップが、ファンを惹き付けているのではないだろうか。 「第2戦も落としたら、佐々木の登板を第3戦に前倒しするかも」(球界関係者) 登板日の前倒しは考えにくいが…。 いずれにせよ、次回登板では、悲壮感という魅力は存分に楽しめそうだ。短期決戦は先に流れが掴んだチームが勝つ。井口監督は「また明日、切り替えて」と言ったが、その流れを掴む難しさも痛感していたはずだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年11月05日 11時05分
ロッテ、佐々木のCS開幕戦抜擢がまさかの裏目に? 突然の“清田問題”再燃で懸念される逆風とは
11月6日午後2時、セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第1戦(以下=CS)が幕を開ける。 ペナントレース2位の千葉ロッテマリーンズが、ちょっと心配だ。大一番の先発マウンドを託されたのが、20歳の佐々木朗希だからではない。 「3日、ベテランの鳥谷敬が引退会見に臨み、選手たちからも労いの言葉を受けていました。同日は佐々木の誕生日でもあり、チーム全体が和やかで、でも同時に、CS初戦に向けての士気も高まっていて」(スポーツ紙記者) そんな好印象を抱いた取材記者は少なくない。しかし、そんなムードを一変させるようなトラブルも露呈したのだ。 第1回口頭弁論――。 今年5月、ロッテ球団から契約解除された清田育宏氏が、「処分は違法」「無効」として訴訟を起こしたのだ。その第1回口頭弁論が4日、ロッテナインが練習していた時間帯に開かれていた。 「選手に知らせてません。でも、耳に入っているのかもしれません。そういうことで動じるような選手もいませんが」(関係者の一人) 裁判の件は元プロ野球選手が開設した動画でも伝えられた。 >>不倫解雇の元ロッテ・清田、先輩のYouTubeに登場し物議「復帰を狙ってるのか」 電撃出演の思惑に憶測飛び交う<< 一般論として、裁判の日程は裁判所が決める。双方の弁護士が準備不足などを伝えて調整する場合もあるので、ロッテ球団側が日程変更を求めなかったということは、「CSと裁判は関係ない」と捉えているのだろう。だが今後、ロッテがCSを勝ち上がっていく過程で、清田氏サイドから“球団の機密情報”が語られたら、どうなるのか…。その場合、試合に集中できなくなるかもしれない。 「清田氏は球団の処分に納得できなかったようです。現役生活を続けたいと思っているかもしれません」(前出・同) 今さらだが、清田氏は2年契約を結んでいたが、契約解除となった。“クビ宣告”だ。 原因は新型コロナウイルスの感染対策で部外者との接触が球団ルールとして禁止されていたのを破ったからだ。釈明の機会も与えられたが、事実と異なる部分もあったという。 しかも、その密会していた相手が“家族以外の女性”だったため、厳しく処分せざるを得なかった。 初戦のマウンドを任される佐々木朗希は繊細な一面もある。20歳0か月でのCS初戦先発は、パ・リーグ史上最年少となる。タダでさえ、短期決戦には独特の緊張感があり、佐々木の耳には余計な情報を入れたくなかったはずだ。 「当初、初戦先発には経験豊富な石川歩が予想されていました。チームを勢いづけるためなら、今季キャリアハイの10勝をマークした小島和哉もアリかなと思いましたが、佐々木で冒険するということは、来季以降の活躍にも期待しているからですよ」(プロ野球解説者) その期待は佐々木にも伝わっているはずだ。しかし、厳しい試合展開となれば、今回の裁判のことを重ねて考える向きも出てくるだろう。独特の緊張感、史上最年少の称号、首脳陣の期待、そして、裁判という雑音。佐々木はオトナになって、聞き流す力も習得しなければならない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年08月25日 11時25分
ロッテ・佐々木の“東北凱旋”は敗戦濃厚か コーチが課した試練が裏目に? プロ2勝目に立ちはだかる致命的弱点とは
千葉ロッテ・佐々木朗希投手の“東北凱旋登板日”が決定した。 「2戦目の予定と思う。しっかりとゲームを作ってくれるのでは」 井口資仁監督が記者団にそう明かした。2戦目とは同28日の東北楽天戦のことだ。 敵地・楽天生命パーク宮城での先発登板となるが、岩手県出身の佐々木にとっては“準フライチャンズ”のような場所。東北のファンも同様に捉えており、「成長の証」を見せてもらいたいものだ。 >>ロッテ・井口監督のコメントにファン怒り「お門違いだろ」 好投投手へ苦言の一方、体たらくな打線はお咎め無し?<< この場合の「成長」とは、投球技術のことだけではない。 「佐々木の弱点は、走者を出した時にあります。投げ急ぐというか、投球フォームが崩れてしまうんです」(プロ野球解説者) 技術的な指導を受けているが、完全に修正されたわけではない。試合中、投球フォームが崩れる場面もあれば、そうでないイニングもある。「未熟」と言えばそれまでだが、佐々木は走者のいない場面でもセットポジションで投げている。走者の有無で崩れるということは、メンタル面に原因があるわけだ。 そのメンタル的な原因について、こんな指摘も聞かれた。 「今年、プロ初勝利を挙げたことが大きい。でも、2勝目を早く挙げないと、また元に戻ってしまう」 チーム関係者がそう言う。 そもそも、千葉ロッテが育成のために与えた怪物への試練は「孤独」だった。 怪物育成を託された吉井理人投手コーチが「自分の目の届くところで」と語り、プロ1年目は出場登録もされないまま、一軍帯同となった。試合出場を前提とした他ナインとも練習内容は異なり、一人で練習することは多かった。 「二軍で実戦経験も積みながら」とその育成プランに反対する声もあり、佐々木自身も試合で投げたくても投げらない“モヤモヤ感”を抱えていた。 「今春のオープン戦、そして、公式戦でもチャンスをもらい、5月27日の阪神戦(交流戦)でやっとプロ初勝利を挙げました。勝って、結果を出せば現状から抜け出せるので、知らず知らずのうちに焦りも出てしまいました。今は『早く2勝目を』の気持ちが強すぎて空回りしている部分もあって」(前出・同) 走者を背負った場面で投球フォームが崩れるのは、その影響だろう。ピンチに陥っても動じない精神力が持てれば、佐々木は大きく飛躍する。 「同級生の奥川恭伸(東京ヤクルト)が先に先発ローテーション入りしたことも焦りにつながっているのかもしれません」(前出・プロ野球解説者) 怪物と称されていても、メンタル面では「まだ19歳」というわけか。スポーツはメンタル的な影響を受けやすい。佐々木には「一人で練習」の環境に耐えてきた精神力がある。東北のファンを唸らせてもらいたい。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年08月04日 11時00分
ロッテ・佐々木、高校時代の投球が復活? 先発調整テストで出た好材料に井口監督も及第点か
まるで、「夏の甲子園大会」に合わせるようにして、高校球界を賑わせた千葉ロッテ・佐々木朗希投手が結果を出した。 >>ロッテ・佐々木、剛速球を捨てて変化球投手に変貌? 過去登板から配球が一変、井口監督は交代タイミングも計算か<< 夏の甲子園大会の組合せ抽選会が行われた8月3日、中日ドラゴンズとのエキシビションマッチに、佐々木が先発した。 「本格的な先発ローテーション入りに向けた『予行練習』みたいなもの。ローテーション入り先発投手と同じ中6日での登板がテストされました」(スポーツ紙記者) 前回7月27日のエキシビションマッチ・阪神戦に登板した時点で、「中6日での登板テスト」は予告されていた。これまでは10日程度の間隔を空けていたせいか、佐々木は緊張していた。ボール先行のカウントになるのもそのせいだと思われたが、3日は違った。「怪物の片鱗」を見せつけた。 「球速はプロ入り後、最速となる158キロ。4回までパーフェクト・ピッチング」(前出・同) 5回まで投げ、被安打1失点1。奪三振数は「4」と少なかったが、注目すべきは“ボールの威力”だ。 甘いコースに投げても、対戦打者が打ち返せなかった。ファールや空振りでストライク・カウントを稼いでいた。ボールのスピードと威力で翻弄させていた――。2019年、岩手県大会を取材したメディア、そして、スカウトたちが彼のファンになったのは、この投球である。 もちろん、プロの世界ではスピードとボールの重量感だけでは通用しない。変化球のキレ、緩急といった投球技術も磨いていかなければならないが、ストレートで勝負できる投手は独特のオーラがある。 投手出身のプロ野球解説者がこう言う。 「バンテリンドームのマウンドも彼に合っていたんだと思います。プロ野球界では同球場のマウンドはやや高く、硬いと認識されています。オーバーハンドで投げ下ろすタイプなので、いつも以上にボールにも力が増したのでしょう」 ドーム球場での登板も初めてだった。 屋外球場の場合、ナイトゲームでも日中の暑さが残ることがあり、先発投手は試合序盤から汗をかく。“ドーム球場の涼しさ”も彼に適していたのではないだろうか。 試合後、井口資仁監督は「(後半戦の)最初のカードで行けたら」と、佐々木に及第点をつけていた。ペナントレースが再開されるのは、8月13日。ということは、本拠地・ZOZOマリンでのオリックス戦となる。 同日に対戦した中日のチーム打率は2割3分8厘。オリックスはリーグトップのチーム打率を誇る。チーム総本塁打、総安打数でもリーグ1位である。屋外球場、強力打線と、この日とは真逆な環境での登板となる。ちょっと、心配だが…。 「オリックス打線の破壊力はバツグンですが、盗塁数ではリーグワースト。佐々木は走者を背負った場面で投球フォームを崩す悪癖がありますが、機動力を仕掛けて来ないと分かっていれば、弱点を露呈しないで済むかも」(前出・プロ野球解説者) 高校野球界を沸かせたスターが、夏の甲子園大会の組合せ抽選会日に好投したのも、巡り合わせだろう。 首位チームを叩けば、自信にもつながる。後半戦最初のカードで、佐々木の真価が問われる。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年07月27日 11時00分
阪神・藤浪、エキシビション登板でも先発復帰は困難? 矢野監督の意味深発言、女房役不在も足かせか
藤浪晋太郎投手と「令和の怪物」こと佐々木朗希投手が対決する。7月27日、阪神はエキシビションマッチの開幕戦(甲子園球場)で、藤浪を先発テストすると発表した。対する千葉ロッテは、いち早く佐々木の起用を伝えていた。そのせいか、「藤浪不利」の声も多く聞かれた。 「矢野燿大監督は、後半戦で投手陣の一部を配置換えする旨も明かしています。リリーフに回っていた藤浪、及川雅貴らをエキシビションマッチでテストし、そのうち誰か一人を先発で使っていくようです」(在阪記者) 藤浪は前半戦途中から調子を落とし、リリーフに配置替えされている。また、先発転向の話が本当であることを裏付けるかのように、こんな情報も交錯していた。 「先発で起用されていたアルカンタラに、『リリーフ転向』の打診をしています。本人も驚いていたみたいだけど、受け入れる方向のようです。リリーフ投手全体が登板過多になっていて、こちらも人員不足ですからね」(関係者) 藤浪、及川、齋藤友貴哉らが先発転向の候補たちだ。一部では「二保旭の先発固定もある」とのことだが、矢野監督と周囲の予想は大きく違っていた。 >>阪神・藤浪、後半戦の出場機会が激減? 球団内で高評価も、矢野監督が途中加入のライバルを優先か<< 阪神OBのプロ野球解説者がこう言う。 「先発転向の1枠は藤浪だと思います。及川は左投手です。若いし、先発で使ってみたいけど、及川が先発に転向したら、左のリリーフがいなくなってしまうかも。岩貞が不振で、前半戦を牽引しきた岩崎も調子を落としています。及川は、ブルペンに残しておきたいはず」 それに対し、矢野監督の藤浪評は“意味シン”だ。26日、全体会見で「(27日の結果が)悪かったら、先発はさせられない。ライバルもいるわけだから」と言い切った。指揮官として、「チャンスは平等」としか言いようがないのだが、 「藤浪は救援でも四球を連発することがあり、好不調が激しい」(前出・プロ野球解説者) と、リリーバーとしての評価もあまり高くないようだ。 エキシビションマッチでチャンスをモノにできなければ、「後半戦は二軍スタート」ということも、十分に考えられる。 「藤浪のパートナー役が誰になるのかも気になります。正捕手の梅野隆太郎は侍ジャパンに招集されています。梅野は試合前に藤浪との打ち合わせに時間を掛けていたし、構えたところにボールが来なくても、サインを出すテンポを変えるなどし、立ち直らせようと必死でした」(前出・同) 「梅野不在」が影響すると予想する声は多く聞かれた。 先の“気配り”もそうだが、藤浪はチームメイトからも愛されている。虎ファンも期待している。エキシビションマッチは実戦感覚を失わないために行われるので、勝敗は関係ない。佐々木の快投も見てみたいが、27日だけは藤浪に感情移入してしまいそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年06月25日 11時30分
ロッテ・佐々木、剛速球を捨てて変化球投手に変貌? 過去登板から配球が一変、井口監督は交代タイミングも計算か
「勉強になりました」。試合後の佐々木朗希投手は、ソフトバンク打線の猛威やその主軸打者たちの勝負強さについて、そんな感想を述べていた。 去る6月24日の千葉ロッテ対福岡ソフトバク戦に佐々木が先発した。6回途中での降板となり、失点3。プロ初の黒星である。 >>侍ジャパン・稲葉監督がロッテ選手を1人も選ばなかったワケ 井口監督のチーム改革が順調な証?<< 「柳田(悠岐)との対戦は見応えがありました。6回の対決が特にそうでした。結果的には勝ち越し打を許してしまいましたが、初球から全てフォークボールを投げたり…」(プロ野球解説者) 同日の最速は154キロ。足を高く挙げ、ゆったりとしたモーションで投げるので、数字以上に速く見える。その印象は変わらないが、同日の佐々木は過去3回とは違った。 マウンドに上がる際の登場曲が、あいみょんの「今夜このまま」から、「愛を知るまでは」に変わったからか? 変化球が多かった。同点とされた後に迎えた柳田との勝負で“フォークボールを連投したシーン”では勝利への強い執着心も感じられた。 しかし、こんな風にも解釈できる。変化球に頼りすぎていたとも――。 その疑問をネット裏にいたライバル球団の関係者にぶつけてみた。 「プロ初先発(5月16日)では、変化球の割合は30%台でした。初勝利を挙げた阪神戦では約65%がストレート。なのに、この日の佐々木は半分弱が変化球でした」 2ストライク後にフォークボール、そんなピッチングだった。この日のスタメン捕手は、故障明けの田村龍弘。捕手が代わったことで配球の組み立ても見直されたようだが、それだけではなかった。 「調子はイマイチでした。6回途中まで投げて、ストレートで空振りが取れたのは、1球だけ。変化球を多めにすることで田村は佐々木のストレートを狙い打ちされないよう、必死だったのでは?」 偵察に訪れた先のライバル球団関係者のコメントだ。 「回を重ねるごとにその変化球も見極められ、6回表に炎上したというわけです」(同) 初回に柳田にソロアーチを浴びたが、その後は立ち直り、スコアボードにゼロを並べた。変化球に頼り切ったピッチングはロッテ首脳陣も、当然、「アブナイ」と思っていたはず。「100球メド」と井口資仁監督は交代の目安を語っていたが、5回を投げ終わったところで交代させる選択肢もあったはずだ。 逆転を許してから「ピッチャー、交代」を告げたのは、佐々木に経験を積ませるためだろう。 同日の主なピッチングスタイルは、直球でファールカウントを稼ぎ、最後は変化球というもの。佐々木はどんなピッチャーをめざしているのだろうか。ファンはストレートで相手バッターをねじ伏せるところ、ストレートで三振の山を積み上げていくピッチングが見たいと思っているはずだ。 佐々木は捕手のサインに素直に頷き、ミットを目掛けて投げ込んでいく。初々しい光景ではあるが、サイン通りに投げているのは、まだ“自分”を持っていないからでもある。次回登板では剛速球が見たい。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年05月28日 11時20分
巨人・横川、先発ローテ定着は確実か 伸びしろは佐々木・奥川以上? コーチ陣も太鼓判の“野球偏差値”の高さとは
佐々木朗希投手(千葉ロッテ)がプロ初勝利を挙げ、奥川恭伸投手(東京ヤクルト)は自己最多の奪三振数を更新させる2勝目。ともに高校球界を沸かせたプロ2年目の両右腕が好投した5月27日、東京ドームで行われた巨人対東北楽天でも、甲子園の修羅場をくぐり抜けてきた3年目の横川凱投手が好投した。 敗戦投手にはなったが、試合後、宮本和知投手チーフコーチが次回の先発登板を明言している。「合格点をもらった」と見て間違いないだろう。 「キャンプ中から彼の名前は出ていました。宮本コーチだけではなく、桑田真澄投手チーフコーチ補佐も褒めていました」(ベテラン記者) 大阪桐蔭時代、根尾昂(中日)、藤原(千葉ロッテ)、柿木(北海道日本ハム)らと春夏の甲子園大会を連覇した好左腕だ。同級生に金足農の吉田輝星(日本ハム)がいたため、知名度ではイマイチだったが、「そう遠くない未来、プロで活躍する」と、将来性は高く評価されていた。 また、5月16日の千葉ロッテとの二軍戦だった。被安打3の完封勝利を挙げており、この時点で一軍昇格は囁かれていた。昇格が遅れたのは、「リリーフ投手が不足していたため」とチーム事情によるもの。見方を変えれば、これも「先発として育てていく」という“期待の大きさ”だろう。 >>巨人・若林の走塁ミスは後藤コーチの責任? 原監督も激怒した暴走に苦言相次ぐ「明らかに判断ミス」<< あくまでも16日のファーム戦と27日の先発登板を見た心象だが、横川はストレートの速いタイプではなかった。佐々木、奥川らが150キロ台を投げ続けるのに対し、横川は140キロ台だ。16日の完封劇を見た後、「一軍で通用するかどうか、この辺が問われそうだ」と個人的に思っていたが、ストレートを狙い打ちされる場面はなかった。むしろ、変化球とのコンビネーションで、対戦バッターに真っ直ぐを数字以上に速く見せていた。 投手出身のプロ野球解説者がこう分析していた。 「タイミングの取りにくいピッチャーだと思う。テイクバックの時、『間』が入るというか、ボールを長く持っているので、バッターからすれば、ボールの出どころ(リリースポイント)が見にくいんです」 横川は技巧派タイプとして成長していくようだ。 20歳の技巧派投手。彼の年齢だが、学生なら、大学3年生だ。近年、大学卒の投手がドラフト上位指名され、先発ローテーションの主軸となるケースも多いが、横川のように二軍で鍛え挙げられた投手が活躍すると、「成長」「育成」という楽しみもある。 試合後、横川は広報を介して「勝負に行く最後の最後で甘くなってしまったことが反省です」と、20歳とは思えないコメントをしている。反省点を簡潔に述べるところからして、“野球偏差値”も高そうだ。甲子園の大舞台を経験しているので、マウンド度胸も満点だ。 今季初登板は黒星を喫したが、次回登板の内容次第ではローテーションに定着するのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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