サッカー『AFCアジアカップ2019』準々決勝ベトナム戦の前日(1月23日)、森保一・日本代表監督(50)が会見に臨んだ。チームの雰囲気を「良好」と伝え、選手たちとの信頼関係も構築されたように窺えた。
日本代表チームの雰囲気のよさは、日本サッカー協会にも報告されている。しかし、田嶋幸三会長を始め、協会幹部の表情は晴れない。
「法廷闘争は避けられませんでしたからね」(スポーツ紙記者)
「ハリル氏の解任が昨年4月。東京地裁に提訴したのは5月。地裁は和解を提案しましたが、決裂しました」(専門誌記者)
代表監督の座を追われたハリル氏はその後、フランス一部リーグ(リーグ・アン)の名門『FCナント』監督に就任。なんとか2部降格圏内を脱し“名将のメンツ”は保たれ、たまたま日本は合わなかったと解釈したメディアも多かった。それでも、ハリル氏は“日本への恨み”は忘れられなかったわけだ。
「海外のサッカーメディアもハリル氏の裁判のことを伝えています。事実関係だけを報じたものばかりですが、仏メディアはちょっと違いました。日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン被告が逮捕、起訴され、それを不当とする論調があった。その延長線上で『日本は誠実で義理人情を重んじる国だったのに』とゴーン被告同様、『日本のために尽くしてきたのに』と煽っていました」(同)
日本人の代表監督就任により、選手とのコミュニケーションが密になった一方、サッカーが「つまらなくなった」とも言われる森保ジャパン。海外メディアの目を、ハリル氏の裁判に向けさせないような“刺激的な勝利”が求められている。
田嶋会長とハリルホジッチ前監督、両者の主張が食い違うのは、最初からわかっていたこと。どちらが被害者でどちらが加害者なのかを決めるのも、いまとなっては虚しさだけが漂う。