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芸能 2016年05月25日 13時30分
批判殺到で早くも暗雲漂う実写版『鋼の錬金術師』
ジャニーズ事務所の人気グループ「Hey!Say!JUMP」の山田涼介主演で、人気コミック「鋼の錬金術師」が実写映画化(曽利文彦監督、17年冬公開)されることが発表されたばかりだが、ネット上では批判が殺到している。 同作は「ハガレン」の愛称で知られる全世界累計7000万部を誇る冒険ファンタジー大作。幼き日に最愛の母親を亡くしたエドワードとアルフォンスの兄弟が「賢者の石」を探す旅に出る。 各メディアによると、山田が主人公のエドワードを演じるほか、エドワードたちの幼なじみで機械鎧(オートメイル)技師のウィンリィ・ロックベル役を本田翼、原作でも人気の高いエドワードの良き理解者でもあるロイ・マスタング役をディーン・フジオカが演じ、ほかに松雪泰子、大泉洋、國村隼、小日向文世ら豪華キャストが出演。 山田は来月のイタリアでのクランクインを前に「重圧に勝てるのか、という気持ちもあったけど、今は決意が固まった」と意気込んでいるというのだが…。 ネット上では「そんな血迷ったことを」、「実写化マジ勘弁」、「そうじゃないだろ感半端ない」、「山田くん自体は嫌いじゃないけど、どう考えてもエドのキャラじゃない」などたちまち批判が殺到してしまった。 「昨年2部作で公開された『進撃の巨人』の実写化もファンたちから悲鳴があがり、前編はまだよかったが、後編は大コケしてしまった。現在公開中の『テラフォーマーズ』も豪華キャストで実写化したが『進撃』を大幅に下回る大コケぶり。『ハガレン』は製作費の無駄遣いのような気がしてならない」(映画業界関係者) 人気コミックを実写化した主演映画「暗殺教室」シリーズは立て続けにヒットした山田だが、撮影前にかつてないプレッシャーを背負っているに違いない。*写真はロイ・マスタング役のディーン・フジオカ
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芸能 2016年05月25日 12時23分
ようやく夢の五輪が内定した猫ひろし
カンボジア国籍のタレント・猫ひろしがリオデジャネイロ五輪の男子マラソン代表に選出され、カンボジア・オリンピック委員会から連絡を受けたと代理人が明らかにしたことを、一部スポーツ紙が報じている。 記事によると、今月20日、すでに現地メディアが、五輪出場が決まった選手6人を報じ、そのうちの1人に猫が含まれていたという。猫の事務所関係者は、「現地の代理人から『6月3日に記者発表をするので、そこへ来て欲しい』と知らせを受けた」、「それまで弊社としては決定とは言えないが、有力とは聞いている」と五輪代表に内定したことを明かしたという。 猫は12年ロンドン五輪の同種目で1度は代表に選出されたものの、最終的に参加資格が認められず、出場が消滅。しかし、一念発起してリオ五輪を目指し今月8日に南部カンポート州で行われたリオ五輪代表選考大会で優勝(タイム2時間44分2秒)。五輪代表に近づいていた。 「猫のマラソン自己最高タイムは15年東京マラソンで出した2時間27分52秒。その記録を出したとしても最下位の方に近いが、何よりも出場することが重要。出場を見込んで猫の事務所にはテレビ各局から出演オファーが殺到しているというから、“五輪バブル”でウハウハか」(運動部記者) 現地では「チュマール(クメール語で猫)ひろし」と名乗る猫は、2011年にカンボジア国籍を取得。ロンドン五輪は国際陸連が参加資格を満たしていないと判断したため出場できず、再び五輪を目指したものの、その後のレースで国内のライバルに完敗。その後、リベンジを果たしたが、14年に韓国・仁川で開催されたアジア大会では完走した14人の中で最下位。昨年6月の東南アジア大会では6位だったが、タイムは2時間42分39秒だった。 このところタイムは伸び悩んでいるが、リオではベストの走りを見せてくれそうだ。
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芸能 2016年05月25日 12時19分
殴打、溺死、首つり、超リアルな事故物件に住む大阪のお笑い芸人
今月大きな話題となった、千葉県内にそびえ立つ超豪邸の事故物件。未解決のままで、室内は居住者の生活が残った状態で、756万円でオークションに出品された。そして、落札価額11,111,100円で買い手がついたというから、驚きだ。殺人事件の現場は、玄関。住むには支障がないのでは? という意見もあるが、常人には到底チャレンジできない案件だ。 しかし、広い芸能界には、そんないわく付きの部屋に住むことを生業にしている芸人がいる。松竹芸能所属のピン芸人・松原タニシだ。大阪を拠点にしており、食うに困るマイナー芸人。そんな時に舞い込んだ仕事が、事故物件に住んで1日中カメラを回し、幽霊が映る、心霊現象が起こるなどの動きがあれば、ギャラが発生するという企画だった。これを機に、特番『稲川淳二の怪談グランプリ』(関西テレビ)などに呼ばれるようになり、夏は怪談ライブやイベントで引っ張りダコ。以降、3年で3軒の事故物件に渡り住んだ。 もっとも印象的なのは、2軒目。そこは、息子が母親を殴打したあと、浴槽に沈めて殺した事件が起こった部屋だ。2DKで家賃が2万6,000円。敷金も礼金もなく、破格な安さだった。2部屋あったため、後輩のコンビ芸人であるゆんぼだんぷ・カシューナッツと同居した。松原は、死んだ母親の部屋。部屋の畳をめくったら、血痕と思しき形跡が残っていた。息の根を止められた浴室は、おそらく鏡があったであろう箇所が、セメントで塗り固められていた。 入居したその日の夜から、異変が起こった。眠っているときに友人から携帯に留守電が入り、メッセージを聞くと、変な雑音がして聞きづらい。朝になって友人に連絡を入れると、「かけてないよ」の返事があった。似たようなことは、何度も続いた。その雑音は、息子が母親を湯船につけた時の「ゴボゴボ」だったのか…。そう考えてからしばらくは、入浴するのを躊躇した。さらに、眠っている時には、女性の悲鳴がかすかに聞こえることもあった。 ある日、カシューナッツが不在のときに帰宅すると、目の前に中年の女性が座っていた。松原は瞬時に溺死させられた母親の霊だと思ったが、それにしても、あまりにも生身すぎる。怖くて体が硬直すると、振り向いた女性は言った。「いつもお世話になってます。カシューナッツの母です」。芸人としてのネタも、しっかり持っているようだ。 現在は、ロフト付きの超美室に住んでいる。真っ白な室内は、おしゃれ空間を満喫できそうだ。しかし、ここは恋人とケンカしたことがきっかけで、女性が首つり自殺をしたマンションの一室。その現場となった玄関からは、今でも不思議なラップ音がしょっちゅう聞こえてくるという。*写真イメージ
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芸能 2016年05月25日 12時00分
相武紗季 “6月強行婚”から一転 “スピード離婚”へ一気に加速
相武紗季(30)に早くも“超スピード離婚”説が浮上している。 「4月27日発売号の週刊実話報道に影響されたようです。で、相武と会社社長K氏の“6月強行婚”の決意を報じました。当初は彼女の誕生月である6月入籍予定でしたが、情報が表面化したことで急きょ前倒しし、5月3日に婚姻届を電撃提出したんです。本来、もっと結婚について吟味できたはずなのに“見切り発車婚”となったようです」(芸能記者) そのためか、相武は結婚相手の詳しい“素性”を把握しきれないまま、ゴールインした可能性がある。 「K氏は36歳。'06年創業した化粧品の企画制作・販売やイベント制作などを行う会社『Sグループ』の社長です。やり手の若手社長ですが、結婚後は複数のメディアで“黒い経歴”が報じられた。交際歴は昨年1月からと短く、相武は何も知らないまま結婚してしまったのかも」(芸能プロ幹部) 一部報道が真実であれば、危ない経歴だ。 「彼は過去に闇金やオレオレ詐欺グループに関わっていたと報じられています。東京・西麻布の飲食店経営を手掛けたあと『Sグループ』を設立。父親は九州の暴力団の副会長で、90年代に自宅で殺されたそうです。また、弟2人はいずれも恐喝や暴行の容疑での逮捕歴があり、実名報道しているメディアもあります」(同) そんな相武を“救済”しようと、結婚後から猛反対の声が挙がっているという。 「昨年7月、K氏との熱愛が初めて報じられた時点で、所属事務所は反対。しかし、結婚を強行してしまった。祝福ムードが少ない中、今になって相武も動揺し、親友らに離婚を含めた今後を相談しているとか。年内に超スピード離婚に踏み切る、なんていう話も出始めました」(前出・芸能記者) 相武といえば、現在放送中の連ドラ『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系)で、初回から伊藤英明相手に「全裸濡れ場」を熱演したばかり。 「長年交際したTOKIO長瀬智也との結婚の夢がかなわず、'12年末ごろ破局したことが心の傷になっている。以来、“いい相手さえいれば早く結婚したい”の一心で頑張ってきた。そこに登場したのが大金持ちのK氏だった。もし超スピード離婚となれば、今後はセクシー女優としてさらなる新境地を切り開いていくでしょうね」(スポーツ紙記者) 今後の女優人生が一変する。
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芸能 2016年05月25日 11時55分
菅田将暉がクリエイターに!? 映画「二重生活」で美少女キャラを描くゲームデザイナー役を演じる
映画『二重生活』(配給:スターサンズ)が6月25日(土)より全国公開される。本作は、NHK「ラジオ」(文化庁・芸術祭大賞受賞、国際エミー賞にノミネート)など多くの記憶に残るドラマを手掛けた映像作家・岸善幸が、直木賞作家・小池真理子の同名小説を大胆に脚色、映画化に挑んだ作品。 映画『愛の渦』で数々の賞を受賞し、NHK連続テレビ小説「まれ」でも注目を浴びた、今最も活躍している女優のひとりである門脇麦が単独初主演に挑んだ。 門脇麦が演じるのは、見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていくヒロイン。尾行される男を演じるのは長谷川博己。恋人役に菅田将暉、尾行を勧める謎多き教授にリリー・フランキーなど、多彩なキャストが揃い、「尾行を哲学する」── 全く新しい心理エンターテインメントを作り出した。 菅田将暉は本作で、主人公・珠と同棲中の恋人・卓也を演じ、ナチュラルな魅力を振りまいている。ゲームデザイナーとしてコツコツ働き、珠が尾行をしている最中も、仕事のために机に向かう。そんな卓也について菅田は、「もともと絵を描いていて、今は仕事をして生活をしていかなくてはならないから、グラフィックやゲームのデザインをしている。絵の才能がすごくあるわけではないけれど、まったく関係ないことを仕事にするのも嫌だし、と最初は嫌々はじめたところもあったと思うんです。でも頑張っていたら、評価されはじめたという過程があって。男としては、その過程を一番見て、褒めてほしいんですよ。大好きなものを、違う形で仕事にするつらさ。でもそれを乗り越えて、その道で評価をされるってすごいことだと思いますから」と語っている。【ストーリー】 表参道、渋谷…移りゆく東京の街の風景のなかで、見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていくー。大学院で哲学を学ぶ珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の卓也(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まったー。(C)2015『二重生活』フィルムパートナーズ
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芸能 2016年05月25日 11時06分
上島竜兵、吉幾三に心酔「マジで抱かれてもいい」
ダチョウ倶楽部の上島竜兵、肥後克広と演歌歌手の吉幾三が24日、都内で歌謡ポップスチャンネル特別番組「あなたの街に聞きに幾三!!〜心で歌うのど自慢〜」(CS放送6月12日10時放送)の取材会に出席した。吉と本格的な共演は初めてだという上島・肥後は番組の裏話を披露しつつ、吉の人柄を絶賛。上島は「志村けんさんの番組でも何度かご一緒させてもらう機会があったけど、本当に優しくてマジで抱かれてもいいかなって思った」とコメント。途中、お約束のキス攻撃でも仲良く熱烈キスをかわし、息の合うところを見せた。 本番組は吉と上島・肥後の3人が視聴者のはがきを元に地方を訪れ、視聴者の悩みを聞いたり、歌を通じてふれあったりする旅系の歌番組。吉と上島が神戸へ、吉と肥後は奄美大島をそれぞれ訪問したが、吉は収録を振り返りつつ、同じダチョウの寺門ジモンだけが参加していないことに少々疑問の目。「ジモンさんはどうして?」と問いかけたが、上島は「あいつはちょっと肉の買い付けがあって…」とバツが悪そうに事情を説明。 肥後のほうは収録中の吉のトークや振る舞いを絶賛。「温かみがすごい。ちょっと照れ屋さんなんでしょうね。いい人で終わりそうになると最後必ず下品なことを言うんですよ。人間味溢れる吉さんの下ネタをぜひ見て欲しい」とニヤニヤ。 上島も「俺たちより吉さんのほうがずっと面白い」と吉を持ち上げ、「気さくで、新幹線の移動の時から『何でもありだから。何やってもいいからな』って。『吉って呼び捨てにしていいからな』って言うので本当にしたらちょっとムッとしていました」とコメント。会場を大笑いさせていた。(取材・文:名鹿祥史)
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芸能 2016年05月25日 10時58分
中村蒼が、TBS7月期火曜ドラマ「せいせいするほど、愛してる」に出演決定
シリアスからコメディまで幅広い演技で更に今後の活躍が期待されている若手俳優の中村蒼が、TBS7月期の火曜ドラマ「せいせいするほど、愛してる」(毎週火曜22:00〜放送)に出演することがわかった。民放ドラマでのラブストーリーには、今回、自身5年ぶりの出演となる。 原作は、小学館「プチコミック」に連載されていた、北川みゆきの同名マンガ「せいせいするほど、愛してる」。とある企業の広報部で働く主人公・栗原未亜(武井咲)が恋に落ちたのは、自社の副社長・三好海里(滝沢秀明)。しかし三好は既に妻を持つ立場だった…。この二人の禁断の恋愛を軸に、複雑に絡み合う人間模様。“せいせいるすほど”ひたむきに、限りなく純粋で禁断の、大人の恋愛ドラマだ。 中村蒼は、未亜のライバル会社の敏腕営業マンであり、海里の最大の恋敵となる“宮沢綾”を演じる。年々、役者としての魅力を増している中村蒼が、今作品ではどんな演技でインパクトを残すのか期待されている。
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芸能 2016年05月25日 10時48分
ジャングルポケット斉藤、新婚太田の嫁をいじる「結構痛い子」
お笑いトリオ、ジャングルポケット(太田博久、おたけ、斉藤慎二)が24日、都内で行われた「エン ナチュラル スムージー カフェ」オープニングイベントにモデルの高垣麗子と出席した。太田は昨年結婚したモデルの近藤千尋と4月に挙式を挙げたばかり。披露宴にはモデルや芸人も多数出席したといい、「正直費用が結構かかりました。嫁も働いているのでお互い出し合ってやりました」とその披露宴を嬉しそうに振り返った。 モデルの高垣を前に「うちの嫁もギャルモデルです」と話した太田。斉藤から「結構痛い子です」と突っ込まれるも全く動じない様子で「ギャルの嫁と楽しくやっていきます」と幸せ一杯の表情。披露宴ではその斉藤が司会を務め、歌も2曲披露したといい、「芸人がいれば披露宴ってこんなに素敵になるんだなって。すごく盛り上がりました。芸人のみなさんには感謝しています」としみじみ。 一方、斉藤は「司会者が2曲も歌を歌うのはなかなかないです」とぼやき節。二次会には品川祐も参加したといい、「品川さんが来ることでまわりのみんなが萎縮して、誰も面白いこと言わなくなりました」と会の様子を紹介。おたけも「2700もいたんですけど、すべっていました」と毒づくと幸せそうな太田についても「幸せすぎるのが鼻につく」とぴしゃり。 おたけは「ああいうの見せられると自分も結婚したくなりました。結婚が身近なものに感じました。ただ、お金がないので…」と太田がうらやましげ。斉藤は太田がジャングルポケットで一番女性ファンが多かったことを明かした上で、「太田が結婚したことで、全国ツアーのお客さんの入りが心配です。僕らにとっては痛いです」と話して会場を笑わせていた。(取材・文:名鹿祥史)
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アイドル 2016年05月25日 10時44分
ヒップホップアイドル・リリカルスクール、セカンドシングルの詳細を公開
4月27日にシングル「RUN and RUN」でメジャーデビューを果たした、ヒップホップアイドルのlyrical school(通称:リリスク)。同楽曲の「スマホジャック縦型ミュージックビデオ」は、公開直後に話題が爆発。総再生回数は150万回を突破し、多くのTV番組でも取り上げられた。 さらに、4月28日にクラブチッタ川崎で行われたリリース記念ライブは、LINE LIVEで完全生中継され、約90分のライブの間に総視聴者数は75万人を突破し、同時間帯での視聴ランキング1位を獲得。 各方面から注目を集めるリリスクだが、7月6日にリリースされるセカンドシングルの情報が急遽アナウンスされた。 タイトルは「サマーファンデーション」に決定。作詞をKICK THE CAN CREWのLITTLEが、作編曲をNATSUMENのAxSxEが手掛けることになり、リリスクの人気曲「brand new day」の制作チームが再びタッグを組むことになる。カップリング曲は90年代J-HIPHOPの知る人ぞ知る「キス推奨ソング!?」こと、EDUのKiss Meをカバー。これまで、コンピレーションアルバムでカバーには挑戦してきたが、自身名義の作品で収録されるのは、これが初となる。 また初回限定盤Type-Bには、リミックス曲を収録。「RUN and RUN」を鴨田潤(イルリメ)が、「リリスクのうた」をDorianがそれぞれ手掛ける。さらに初回限定盤Type-Aには、3月6日に新宿BLAZEで行われたワンマンライブを抜粋して(himeが加入してから初のワンマンライブ)収録される。 前作のMVがバズを起こしただけに、今作はどういった展開になるのか、引き続きアナウンスを待ちたい。
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社会 2016年05月25日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第175回 財政破綻論のデマゴギー
安倍政権は来るべき伊勢志摩サミットにおいて、先進7カ国が協調して「財政出動」に踏み出すことを目指している。2014年度以降、過去に例を見ないレベルの「超・緊縮財政」を強行した安倍政権にしては、珍しくまともな動きだ。 安倍総理は5月上旬、欧州を行脚し、各国首脳に「財政出動」の協調を訴えた。結果は、フランス、イタリアからは歓迎され、予想通りドイツ、イギリスからは歓迎されないというものであった。微妙な情勢である。 ドイツのメルケル首相は、財政出動に対し明確な拒否をしたわけではないが、 「私は財政出動のフロントランナーではない」 と、何というか「嫌悪感」がにじみ出た印象の反応を見せ、議論はサミットに持ち越されることになった。 3月にアメリカのノーベル経済学者ポール・クルーグマン教授が来日し、安倍総理と会合を持った。クルーグマン教授の議事録によると、総理は会合の場で5月のドイツ訪問に触れ、 「さらなる財政出動について、協調した行動を起こすべく(ドイツを)説得しなくてはならない。何かアイデアはないだろうか?」 と、質問した。総理の質問に対し、クルーグマン教授は、 「それは難しい」 と回答したわけだが、やはりドイツは簡単には同意しなかった。 現代の世界は、ドイツに限らず「財政破綻論」あるいは「財政均衡主義」という呪縛に各国政府が縛られ、正しい政策を打てない状況にある。 くどいほどに強調しておきたいのだが、政府が自国通貨建ての負債の返済不能になる可能性は「ゼロ」である。理由は、政府は永続する存在であり、さらに通貨発行権という強大な権力を保持しているためだ。 読者の多くは、 「国債(政府の負債)は税金で返済しなければならない」 という間違った認識を持っているのではないだろうか。個人とは異なり、永続性があり、通貨発行権を保有する日本政府は、そもそも借金を返済する必要はない。もちろん、税金で返済する必要もない(しても構わないが)。 政府の負債の返済方法は、主に三つある。(1)税金で返済(2)未来永劫、借り換えを続ける(3)日本銀行に通貨を発行させ、買い取らせる これらをインフレ率や金利、景気の状況を見ながら使い分ければ済む話なのだ。 政府の負債について「税金で返さなければならない」などと言ってのける人は、個人を対象とした予算制約式を、通貨発行権を持つ政府に適用している愚か者である。 個人の場合、何しろ通貨発行権を持たず、しかも寿命がある。「個人は生涯に稼ぐ以上の借金はできない。個人は稼ぐ所得で借金を返済しなければならない」という予算制約式に、一定の合理性はある。だが、政府は違うのだ。 ところで、ドイツはユーロ加盟国である。ユーロ加盟国は金融政策をECB(欧州中央銀行)に委譲してしまっているため、各国政府は通貨発行権を持たない。とはいえ、独自通貨を持つ日本、アメリカ、イギリスは違う。 独自通貨国である日本が、日本円建ての国債の「財政破綻(債務不履行)」になる可能性はない。そして、日本国債は100%日本円建てなのである。 しかも、現在は日本銀行が量的緩和政策を継続し、日本円を発行し、市中銀行から国債を買い取っている。結果、政府の負債(国の借金ではない)は、ピークの2012年9月と比較し、実質的に130兆円超も減ってしまった。 中央政府の国債・財投債・国庫短期証券に限れば、政府が実質的に返済しなければならない負債は600兆円である。残りの331兆円については、日銀が保有しているため、政府は返済の必要はない(返済しても構わないが)。 国内のマスコミは、この「事実」を無視し、抽象的な表現で財政問題を煽る。例えば、信濃毎日新聞は5月9日の社説「財政出動要請 改革進める覚悟どこに」において、 『1千兆円を超す借金を抱える日本はその筆頭だ。マイナス金利の導入で、国債を発行しやすい環境にある。それに甘えて国債を乱発すれば、将来へのつけはさらに膨らむことになる。 経済対策を目的とした財政出動は本来、規模や内容を慎重に検討しなければならない。従来型のばらまき政策では効果は一時的だ。日本の財政に対する国際的な信認も低下しかねない。経済成長と財政再建の両立策を示せないまま、日本が各国に財政出動の必要性を訴えても説得力に乏しい』 と、安倍政権を批判していた。 「1千兆円を超す借金を抱える日本」「将来へのつけはさらに膨らむ」「従来型のばらまき政策」「財政に対する国際的な信認も低下」−−。まさに、典型的なプロパガンダ用語だ。思考停止に陥り、言葉の定義を真剣に考えない人は、この手のレベルが低いプロパガンダにコロリと騙されてしまう。 1千兆円を超す借金を抱える日本、ではなく、1千兆円を超す借金を抱える日本政府、が正しい。先に述べたように、日銀が国債を買い取り、借金を帳消しにしているため、実質的には600兆円といったところだ。 また、将来へのつけ、というならば、デフレが継続し、供給能力が削り取られ、モノやサービスを生産できない発展途上国と化した日本を受け渡す方が、よほど「将来へのつけが膨らむ」に該当する。従来型のばらまき政策とは、公共投資を意味しているのだろうが、そもそもわが国は1996年に45兆円だった公共投資を、20兆円にまで減らしてしまった愚かな国なのだ。結果的に、国民の生命さえも危険にさらされていると言える。 さらに、財政に対する国際的な信認とやらが何を意味するのか不明だが、国債の信用度(デフォルトの確率が低い)というのであれば、金利以外に見るものはない。世界で2番目(1番目はスイス)に低い超々低金利で国債を発行しているわが国は、むしろ財政の信任があり過ぎて困っている。 信濃毎日新聞の社説が典型だが、この手の財政破綻論のデマゴギーを容赦なく糾弾し、排除していかなければ、わが国がデフレから脱却し、国民が豊かになる経済を取り戻す日は訪れない。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。