「7年前、ヒクソン・グレイシーと戦い、敗れました。このまま泣き寝入りのまま死んでいくのは悔しいし、自分はいま生きている。これからも生きなければならない。もう一度、日本の総合格闘技界の力になりたいと思い、12月31日の復活を決意しました」
2000年5月のヒクソン・グレイシー戦で敗北を喫して格闘生活に幕を下ろした船木が、横浜アリーナに集まった観衆1万1310人の前で現役復帰を表明した。この日の休憩明けにリング上で前田日明スーパーバイザーから呼び寄せられた船木。引退後は俳優業に専念してきただけあって、マイクを握るとスラスラと“台詞”を読み上げた。
現役復帰の腹はくくっていた。今年に入り柴田勝頼と立ち上げたARMSで二人三脚の練習をしているうちに「年齢では同世代の桜庭や田村があんなに頑張っているのに自分は放送席で解説だけやってていいんだろうか」と、カムバックへの思いが固まっていったという。
対戦相手については「ヒクソンとやって終わってますから、できればヒクソンと…。ただ、僕は負けたので言う資格はない」「相手は誰でもいい。とにかく強い人」などとした船木。ヒクソンとの7年越しの再戦も熱望したが、谷川貞治プロデューサーからは「ヒクソン、田村、桜庭、秋山選手とも夢のカードが広がる」と、4選手の候補が挙がった。そればかりか、この日“グレイシー狩り”に失敗した柴田との師弟対決も考えられる。
船木の復帰をめぐり熱を帯びてきたHERO'Sリング。谷川Pによれば「9月にはもっといろいろ出てきますから」とさらなるサプライズがあるというのだが、一体何なのか?HERO'Sを放送するTBS関係者が証言する。