現在、日本では痴漢がなかなか減っていないという。その理由について元警察隊の澤登真珠枝氏は「今、電車は一人一人が『個室化』している。スマホを持っている方がほとんどで、その世界に入り込む。(スマホに没頭すると)隣に誰が座っているのかも分からない。前にどんな人が立っているのかも全く分からない」と説明。スマホの普及により、周囲への警戒心を持たない人が増え、痴漢に遭う女性がいたとしても周囲は気付かないと指摘した。
次に澤登氏は、痴漢に遭いやすい女性の特徴を説明。「検挙した犯人から聞いた話だが、混雑しているところで、直近にいる女性なら誰でも(ターゲットにして)いい(らしい)」と犯人の心理を明かす。「これから入学シーズンを迎える」と口にし、入学したての女子高生が今後“ターゲット”にされると示唆した。「電車通学で不慣れな女子高生はその電車に乗り慣れない。あるいは痴漢に遭ってもどう対処したらいいか分からない。『抵抗しなさそう』と思われ、被害の対象になることが多い」と、その理由を明かした。
澤登氏は、最近横行している新しい痴漢の手口も説明した。「女性のそばに行きたいという欲求を満たすために、ホームなどで好みの女性を物色し、女性の背後に付いて一緒に電車に乗る。またもとのところに戻って、また次のターゲットを見つけてその後に付いていく」と、新しい“痴漢魔像”を説明した。直接女性の体に触るとすぐに捕まるため、好みの女性に近づいて電車に乗り込み、電車の揺れを利用して接触し、匂いをかぐ“触らない痴漢”が問題になっていると語った。
インターネットでは「高校入学する娘がいる親には知ってほしい」「触らない痴漢って捕まえるのは無理」「痴漢怖すぎ。電車に乗れないわ」などと、痴漢の恐ろしさを口にするユーザーの声が集まった。
痴漢の取り締まりを強化するのは大切だが、痴漢は他の性犯罪と比べて、再犯率が非常に高い。痴漢に手を染めた犯罪者が再犯しないような仕組みを作ることも大事だろう。