逮捕容疑は、19日午後10時半頃、福岡県粕屋郡内のアルバイト女性(20)の自宅ドア前通路で、女性の髪の毛をつかんだり押さえつけたりして、わいせつな行為をした疑いで、堂上容疑者は容疑を認めている。当日、堂上容疑者は福岡・飯塚でのウエスタンリーグ、中日戦に4番打者として出場しており、試合の後に犯行に及んだ。
堂上容疑者は武相高、横浜商科大、日産自動車、香川オリーブガイナーズ(四国アイランドリーグ)を経て、08年10月のドラフト会議にて育成選手枠5位で指名され、同球団に入団したが、実は初犯ではなく、性犯罪の前歴があることが明らかになった。酒癖が悪く、酔うと女性に言い寄ることもあったという堂上容疑者は、社会人時代に同様の犯罪を起こしていたのだ。
香川での1年目(06年)には、打率.327、11本塁打をマークし、リーグの首位打者、本塁打王の2冠を獲得。チームの総合優勝に大きく貢献し、年間MVPにも輝いた。守備面でも、その強肩ぶりは評価が高かった。しかし、その年も翌年も、堂上容疑者がドラフト会議で候補に名が挙がっても、指名されることはなかった。各球団が、その素行の悪さを憂慮してのものだった。
08年1月に堂上容疑者は豪州のアマチュアリーグに参加したが、派遣中の堂上容疑者がMLB、レッドソックスのスカウトの目に留まり、入団交渉まで行ったが、「移籍に必要なビザが取得できなかった」との理由で、この話は流れた。性犯罪歴があったため、ビザが下りなかったのだ。
同年のドラフト会議でソフトバンクが指名した際、球界内では素行を不安視する声も上がったようだ。球団では入団に当たり、酒を慎むよう進言し、本人も受け入れたことから、「十分、更生している」と判断した。
入団後、禁酒生活を送り、マジメに野球に取り組んでいたようだが、4年目になっても目が出ず、ストレスもたまっていたのだろうか。今回の犯行に至った。
犯罪歴があっても、更生の場を与えることは悪いことではない。球団はそのチャンスを与えたが、結果的に堂上容疑者に裏切られることになり、他球団の杞憂が現実となってしまった。過去を承知の上で獲得した球団は、自業自得というべきなのかもしれない。ただ、更生の機会を与えた球団を批判するのもどうかと思われる。あくまでも、堂上容疑者本人の自覚の問題であるから。
(落合一郎)