「展望台は西日本一の高さを誇り、地上252メートルから大阪湾を見下ろす360度のパノラマビューが最大の魅力。そのロケーションは、旧WTC時代から観光やデートスポットとして注目されていましたが、人気という点では、なぜか盛り上がりに欠けていたんです」(地元紙記者)
それが今や大人気。週末や休日の日没時ともなれば、ペアシートは肩を寄せ合うカップルで満席になることが多い。入場者数は、「正確な数字はまだ出ていませんが、一昨年までの倍近く入っている」(入場券売り場の係員)という。
施設の管理が“橋下体制”に変わったとたんのこの人気。原因は何か?
「入場料の大幅値下げが効いていると思います。それまでの800円を、昨年の6月に500円に値下げしたら、お客さんが目に見えて増えましたからね。ワンコインの威力は大きいです」
とは展望台のコンパニオン。関係者の話によれば、この値下げは府庁機能の移転で来訪者が増えることを見越した橋下知事(当時)のトップダウンによるものだという。
「橋下さんの頭にあるのは、観光スポットにもなっている東京都庁への対抗意識。本当は都庁展望台のように無料にしたかったようですが、なにせ大阪にとっては大赤字のお荷物ビル。そういうわけにもいかずワンコインになったようです」(市政記者)
赤字施設が大幅値下げとはずいぶん思い切った話だが、コンパニオンも人員削減と、それなりの合理化も進めており、
「無駄を省き、一からやり直して結果を出す。橋下さん、松井さんの面目躍如といったところです」
と、ある『大阪維新の会』の関係者は自画自賛する。
しかし、15日からは大阪市からの購入の経緯を争う住民訴訟も始まった。果たして観光客増に乗じて“大阪都構想”のシンボルとなれるか。