古木は98年のドラフト1位で横浜に入団。03年にはレギュラーを獲得し、22本塁打をマークする長打力を発揮したが、その後低迷。07年オフにオリックスにトレードされたが、結果が出せず、09年オフに自由契約。合同トライアウトを受けたものの、獲得する球団は現れず引退。同年12月に格闘家転向を決意し、新興団体のSMASHに入団。1年間のトレーニングを経てのデビュー戦となる。
実力未知数のルーキーの大舞台への抜てきに不安も覗くが、背景には有名人の起用での視聴率稼ぎの思惑が見え隠れする。
ベテランのスポーツライターのA氏は、「今年は青木真也対長島☆自演乙☆雄一郎など、格闘技ファンをうならせる好カードが多いです。しかし、『Dynamite!!』は視聴率を取ることが至上命題です。昨年は魔裟斗の引退試合、石井慧の国内デビュー戦や山本“KID”徳郁の参戦もあって、話題性がありました。今年はそういったものがないですね。格闘技ファンではない人にも見てもらわないと、大みそかはダメなんです。そのための古木起用でしょう。“元プロ野球選手の格闘技デビュー戦”という冠がつけば、それなりに注目は集めますから。『Dynamite!!』の定番です」と語る。
これまでも、ボビー、DJ OZMA、俳優の金子賢らを投入してきた「Dynamite!!」。視聴率獲得要員となった感がある古木。リング上のファイト内容で、世間の色メガネをはずさせてほしいものだ。
(ジャーナリスト/落合一郎)