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上野公園で一番太い木(ただし株立ち含む)

 「株立ち」をご存じだろうか? 一株の根から複数の幹が立ち上がっている樹木の様子をいう。神奈川県鎌倉市にある鶴岡八幡宮では、2010年3月10日に、樹齢1000年といわれる「大銀杏」が強風のため倒壊した。現在、「大銀杏」の残った一株の太い根から、複数の「ひこばえ」と呼ばれる新芽が育っている。そのようにして、「株立ち」ができる。余談だが、一世紀の時を経て新たな生命を芽生えさせる「大銀杏」が、「パワースポット」化しているとか。

 話がそれたが、「株立ち」は節電に有効。窓の外に「株立ち」を植えれば、葉が茂る夏は木陰を約束し、裸木となる冬は陽光を取り込むことができる。もちろん、緑が増えればCO2対策になる。

 その「株立ち」だが、なんと、パンダばかりが注目されている「上野公園」(東京・台東区)の中で、一番太い木が「株立ち」のケヤキの木なのだ。場所はというと、JR上野駅脇の「パンダ橋」から園内に入って、「東京文化会館」の直角に突き出た屋根の先あたり。

 「株立ち」ゆえに、このケヤキの木は、一見する限りではそれぞれの幹の太さは見栄えがしない。桜が1200本、幹まわり150センチ以上の木だけでも1000本の上野公園にあっては、むしろ、見逃されてしまう部類に入るかもしれない。しかし、「株立ち」を含めれば一番太いのだ。

 現在、上野公園といえばパンダという具合に、パンダばかりに注目が集まっている。そのこと自体は決して悪いことではないのかもしれない。しかし、パンダと同様に、「株立ち」にも、もっと注目するべきではないだろうか。

 なお、今回は「上野公園の太い木ランキング」までは書けなかった。樹木に興味がある人は、園内の案内所で「上野公園樹木マップ」をもらうとよい。太さのランキングも含めて、園内の巨樹情報を満載している。(竹内みちまろ)

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