「昨年のクリスマスイブに恋人と食事に行った後、縦長の箱に入ったプレゼントを渡されました。それを開けてみると、なんとその中身は楽器のリコーダーだったのです。彼はフリーターのため、経済的な余裕がなく、元々プレゼントにそこまで期待はしていなかったのですが、さすがにリコーダーというのは驚きましたね」
彼は、愛さんのリコーダーを吹いている姿が見たいと、その場で要求してきたという。しかし彼女が口をつけた瞬間、ある異変に気がついた。
「リコーダーを咥えると、口元がネチョネチョしていることに気がついたのです。どうやら彼は私に渡す前に、リコーダーを吹いて唾液をつけていたようです。なぜこんなことをするのかと追及すると、彼は自分の体液のついたものを、女性が使うのを見るのが何よりも幸せだと熱弁していて引きました。人のプレゼントに対し、自分の願望を押し付けたものを渡すというのもありえないと思います」
過去、ある団体が行ったアンケートでは、学生時代に好きな人のリコーダーを舐めたことがあるかという調査に対して、多くの男性が「ある」と答えた。
そして愛さんの彼も「女性とリコーダーを共有したいという願望は普通だよ。『君の名は。』の新海監督も『好きな女の子の縦笛を舐めたい』という願望が口噛み酒に影響を与えたとテレビで語っていたからね。男としては当たり前の事なんだ」と熱弁したのだという。
「百歩譲って、映画監督なら変わった性癖を持っていても、それが作品へ活かされているわけじゃないですか? でも彼はフリーターで何も生み出せてないくせに、そういうことを偉そうに言うのは呆れますね」
愛さんは3月が誕生日ということで、次も彼からおかしなプレゼントを渡されたら別れを考えると最後に語った。
(取材/構成・篠田エレナ)
写真・ Vicente Parrilla