この円盤状UFOに関しては、昔から目撃されていたのではないかとする見方が存在している。昔の画家などの手による芸術作品の中に、UFOとしか考えられないような円盤状の物体が描かれている事がままあるからだ。
現在でも謎めいた造形の存在とされるものが、こちらのコインだ。1680年代に作成されたこのコインには、風景と空に浮かぶ巨大な円盤が描かれている。円盤には花を思わせる模様が刻まれており、太陽や雲を図案化したものとはまた違うものであることが解る。
UFO研究家からは、このコインは昔の人々が目撃したUFOを彫刻したものだという説が出てきている。
だが、このコインに関しては旧約聖書の「エゼキエル書」にて描写された天使を図案化したものであると考えられている。キリスト教の預言者エゼキエルは、ケルビムという天使と邂逅し、神の言葉を聞いたのだが、この天使は「輝く車輪のようなもの」に乗っていたと描写されているのだ。天使の変わった造形は、象徴的なものや神聖とされたものを合成したためだと考えられている。この記述を参考に、小さなコインに図案化して彫刻したものだとみられている。
昔の人の想像力は、時に我々が思いも寄らないものを産み出すのだ。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所