この論争のきっかけは、ぜんじろうがツイッターで太田光を「太田くん」と呼んだことに、太田が激怒。「お前、兄さんって言っていただろ」と反論したのだ。ぜんじろうは上岡龍太郎に1987年に弟子入りし、その後デビューを果たしている。一方の爆笑問題は短いアマチュアの活動期間を経て1988年にプロデビューを果たしている。
弟子修行期間は芸歴にカウントされないため、ぜんじろうがどのタイミングで初舞台を踏んだかが注目のポイントだと言える。ぜんじろうは大阪での活動を経て東京進出を果たしている。東京のテレビに出始めた時期では爆笑問題の方が先となる複雑な構造がある。
吉本興業の芸人養成所であるNSCを経ていないオーディション組であり、コンビ結成前にピン芸人をしていた霜降り明星の粗品は芸歴があいまいだ。同6月放送の『アメトーーク!』(同)の芸歴検証企画では、ライバルのミキの昴生と粗品でどちらが芸歴が先かで大揉めとなった。さらに地味ながら阿佐ヶ谷姉妹の姉役の渡辺江里子が1994年に東京乾電池の舞台に立っており、ここをスタートとするならロンブーと同期の大ベテランだとも話題になった。
昨年夏に発覚した闇営業問題で謹慎していたスリムクラブがみそぎとして『M-1グランプリ』に一回戦から出場し話題となるも、「大会規定であるコンビ結成15年目まで」を過ぎているのではと話題になった。スリムクラブは大学時代の仲間同士で1997年ごろから活動を始めたとされる。吉本興業へ所属した2005年を正式なスタートとしているが、それ以前の芸歴をどうカウントするかは議論の分かれるところだろう。地元沖縄の芸能事務所へ所属していたため、これは「プロの芸歴なのでは」と見る声もある。
一連の芸歴問題から出ている暫定的な結論としては、修行期間や養成所の在籍期間は芸歴にカウントされない。最終的には自分の芸歴をどこに位置づけるかは本人の自覚次第であり、芸歴の長さを主張するより身を引く方が美学とされるといったものだ。実際に昨年、芸能活動を休業したネプチューンの名倉潤は、後輩であった原田泰造と堀内健とトリオを組み「下の芸歴」に合わせている。それでも厳密なカウントは難しいため、今年も芸歴を巡る論争は勃発しそうだ。