−−再演することは、いつ頃決まったのですか?
去年の6月くらいですね。ただ、初演のカーテンコールで「再演する!」と約束しちゃっていたので(笑)。スタッフの方たちが頑張ってくれました。
−−昨年の上演で感じた手ごたえみたいなものはありますか?
当時は、震災の影響で多くの舞台が中止、もしくは休演という形になりました。公演日数は少なくなったものの「スピリチュアルな1日」はなんとか上演できることになりました。ただ、正直、「お客さんは本当に来てくれるのか?」と不安でした。楽しい舞台なんですが、来て頂いても、笑う気分になってくれるのかと。ただ、はじまれば、そんな不安はすぐになくなりました。たくさん笑ってもらえたし、元気づけることができたと思うし、僕自身も元気づけられました。観客のみなさんとの一体感も生まれて、本当に感無量でした。もともと、僕のファンの方で見に来てくれた方には、「この作品を見て、お芝居が好きになりました!」と言ってもらえました。
−−震災の時は、稽古中だったということですが。
稽古中でしたね。ちょうど稽古で僕が走り回ってて、僕だけ気づくのが少し遅れました。僕は阪神大震災も経験しているので、携帯と財布とちょっとした食べ物をかき集めて、建物の外に出ました。ただ、稽古中だったんで僕だけ半袖で…寒かったです。その後はもちろん稽古も中止となり、僕も帰宅難民になって歩いて家に帰りました。ただ、稽古場に家のカギを忘れてしまって、後輩の家に泊まりましたけど(笑)。
−−再演ということで、前回から変化させたいところと、変化させたいくないところを教えて下さい。
「変えたい」とか、「変えたくない」とかいう感覚は僕の中にはありません。結局、昔を振り返っても昔の時のようにはできないと思います。今の自分が感じたものを表現しようと思います。1年で表現の仕方も受け取り方も全然違うものになると思います。再演という形ですが、一からのスタートだと思っています。
−−再演が決まったということで、相方の井上さんは…?
「オレのスケジュール、どうしてくれんねん」と言ってます。でも井上さんは、“気持ち悪い活動”でお金を稼いでいらっしゃるので、そっちの方で頑張って欲しいです。僕は“気持ち悪い活動”がないので、お芝居を頑張りたいと思います(笑)。
−−他の芸人さんからの反応は?
初演は、今田耕司さんとロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが見に来てくれました。相当楽しんでくださったようで、口コミで色々なところで宣伝して頂きました。今田さんからは、「こんな時期だからこそ、やってよかった作品だった。こんな面白い脚本を書くなんて、すげー奴がおったなあ。絶対捕まえておけよ」と言われました。
−−今回は大阪と仙台でも公演がありますね。
大阪のお客さんとかは芝居中に飯とか食べそうですね。 ちょっと館内アナウンスは厳しめがいいかもしれません(笑)。仙台は被災地ということで、多くの方に笑って欲しいですね。また、仙台は公演がある前にNON STYLEのお笑いライブの予定があるので、その時にたくさん宣伝をしようかなと考えています。でも、その場合、お客さんがNON STYLEのお客さんしかいない可能性があります。完全にホームの状態でやるかもしれません(笑)。
−−最後に来て頂くファンの方に一言、お願いします。
再スタートにはもってこいの力強い作品になっています。こういった時代だからこそ、笑って、良い涙を流しながら、元気を出して明日からのパワーになって頂けたらと思っています。あと、再演では、須藤理彩さんと僕のいい感じのシーンもあるかもしれません(笑)。脚本家には、書き加えてとお願いしてるので。ちょっとお金も積んでね(笑)。
(C)Noriyuki Banno
【脚本】小峯裕之 【演出】板垣恭一
【出演】石田明(NON STYLE) 須藤理彩
吉本菜穂子 諏訪雅(ヨーロッパ企画) 片桐仁 猪塚健太 今井隆文 澤貴彦
■東京公演 2012年6月13日(水)〜24日(日) あうるすぽっと
■大阪公演 2012年6月29日(金)〜7月1日(日) ABCホール
■仙台公演 2012年7月7日(土)〜8日(日) 仙台市青年文化センター シアターホール
【一般発売開始】2012年4月28日(土)10:00〜
【前売料金】5,500円(全席指定・税込)
【公式HP】http://www.amuse.co.jp/stages/sp/