例えば第79代総理大臣であり、現在は陶芸家・茶人として活動している細川護熙氏の先祖は、戦国武将、細川藤孝やその子細川忠興に繋がる。また第92代総理大臣の麻生太郎氏も祖父が吉田茂で、更に遡ると明治期の政治家、大久保利通の子孫に当たるという。しかし、世襲も多くある政治家のこと。経歴を遡っていくことで有名政治家が出て来るのは当たり前かも知れない。
では、芸能人やアスリートなどのその他有名人に焦点を当ててみると、意外な顔ぶれが出て来るのだ。例えば加山雄三はお札(旧500円紙幣)にもなった岩倉具視の孫の孫に当たるし、釈由美子は戦国武将で、豊臣秀吉の家臣であった蜂須賀小六の末裔になると言う。
戦国武将に関係のある家に生まれると、やはり独特のエピソードや苦労もあるようだ。例えば柳生博は『柳生神影流』で有名な将軍の剣道指南役を仰せつかった柳生宗厳の子孫にあたるが、彼は子供の頃、風呂に入ったときに親から水を使った兵法を教わったりしていたと述べていた。また、吉川晃司は毛利元就の次男である吉川元春の子孫に当たるが、彼は大河ドラマ「天地人」にてかつて先祖と敵対した織田信長役を演じることになった。この時は反対する親戚もいたり、本人もやはり織田信長を演じることに抵抗が合ったと述べている。
アスリートでは、織田信長直系の子孫であるフィギュアスケートの織田信成選手が特に有名だが、元格闘家の武蔵もアニメ「一休さん」で有名な人気キャラクター『新右衛門さん』こと蜷川新右衛門の直系の子孫であるという。“新右衛門”と言う名前は代々当主が名乗った名前であり、時代から見るとモデルとなった“新右衛門さん”の本名は“蜷川親当(ちかまさ)”だと見られている。彼は室町幕府の要職に務めていた実力者で、歌人としての実力もあり実際に一休禅師とも交流があったとされている。一方で、武蔵の親戚には芸人の猫ひろしもいる。一見アンバランスにも見えるが猫ひろしもマラソン選手になるほど高い身体能力を持っているのは確か。やはり、この身体能力の高さは武士の血筋による物なのだろうか。
輝かしい舞台に立つ人の後ろには“ご先祖様”がいるのかも知れない!?