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プロ・学生対決解禁

 日本学生野球憲章が改正され、プロとの交流が認められて学生とプロの練習試合などが、今秋にも解禁されることになった。「学生野球のレベルアップにもつながると思う」(下田コミッショナー事務局長)、「野球が一つになりつつあるのはうれしい」(労組・日本プロ野球選手会・新井貴浩会長=阪神)と、プロ側は大歓迎している。

 ファンにとっても、プロ、アマの伝統のあるチーム・巨人と早大などの練習試合は楽しみになるだろう。昨年11月22日に東京ドームで行われた、セ、パ誕生60周年記念イベントの「26歳以下のプロ選抜対大学日本代表」の試合は4万人以上の大観衆を集め、大成功している。今年のドラフトの超目玉、早大・斎藤佑樹人気が集客力になったのだが、もう一つ、プロ、学生、ファンにとって大きな収穫があった。
 斎藤だけでなく、ドラフト1位候補の早大・大石達也、中大・沢村拓一らがプロ相手に投げ、どの程度の実力があるか、格好のテストケースになったのだ。打たれたが、斎藤は「プロの距離が近くなりました」と認めている。
 今秋からは練習試合なら単独チームでプロと学生が戦えるようになるのだから、プロを目指す選手にも獲得するプロ球団にとってもプラスになる。ファンにも新たな楽しみになる。メジャーリーグでは春のキャンプ中に当たり前のように行われている大学とのオープン戦が、ようやく日本でも解禁されるのは誰にとっても悪いことではない。

 加藤良三コミッショナーは、「将来的な夢だが、高校日本代表とプロの選抜チームが戦えるようになったらいいと思う」と夢をふくらませている。その昔、PL学園が高校球界最強で、阪神が「大阪の恥」、「ダメ虎」と呼ばれた時代に、「PLの方が阪神より強いのでは」などと、球界関係者、ファンの間で半ば本気で語られたことがある。大学vsプロに続いて、高校vsプロの試合が実現するようになれば、ファンの関心はさらに高まるだろう。顔見せ興行のオールスターがあきられ、存続の危機にある一方、クライマックス・シリーズは人気がある。ファン拡大には、新鮮な魅力のある新機軸が欠かせない。

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