「中国からのソーセージの輸入量は年間1900万トンと世界一で、ハムやベーコンの輸入量も世界第3位。このほかハンバーグや餃子、メンチカツなどの冷凍食品に加工され、輸入された可能性も指摘されている。押収された豚肉が1000トン以上に上るため、日本にも流入した可能性が極めて高いのです」(厚労省関係者)
もっとも、そこで再び注目され始めたのが、豚肉以外の中国食品。その危険度は、'08年に日本中を恐怖のどん底に突き落とした、「毒餃子事件」以上に高まっているといえるのだ。
例えば鶏肉。鶏は通常3.3平米、つまり一坪に40羽程度の飼育が適正といわれている。
ところが、中国ではそこに100羽近くの鶏が押し込められることも少なくない。
「そのため、鶏は糞まみれで長く飼育すると死ぬ。これを防ぐために強烈な抗生剤と、早く大きく育てる目的で大量の成長ホルモン剤が与えられているのです。これらの鶏は世界中に店舗を持つ飲食店チェーンにも大量販売されており、その一部がいまだに日本にも輸入されている可能性があるのです」(食品業界関係者)
恐ろしいのはこれが人体に与える影響で、中国国内では近年、成長ホルモン剤や抗生剤を大量投与された鶏を食べた妊婦から、5キロ前後の巨大な乳児が生まれる例が後を絶たないという。また、10歳以下の女子が初潮を迎えるケースも、頻発に報告されているのだ。
「そのためか、中国には『鶏のエサにたかったハエが、アッという間に死んだ』『だから中国の養鶏業者は、中国産の鶏を食べない』というジョークがあるほどです。また、'13年にはネズミやキツネ肉を、羊肉名目で売りさばいていた悪徳業者らが摘発されており、この時にも偽装肉に大量の化学薬品が使われていた。こうした風聞や例を見る限り、もはや中国には安全な食品などない状態だともいえるのです」(全国紙の北京特派員)
実際、日本の厚生労働省が発表している「輸入届出における代表的な食品衛生法違反事例」を基に取材を進めていくと、その危険性は想像以上。もはや、中国食材を口にするのははばかられそうな状態なのだ。
例えば野菜類。前記した「毒餃子事件」では、中国の工場で有機リン系の殺虫剤メタミドホスが混入され、餃子を食べた人々が中毒症状や重体に陥ったが、これは氷山の一角。野菜に殺虫剤成分が混入する例が、後を絶たない状態なのである。
「あげ連ねたらきりがないが、サヤエンドウや大豆からはジクロルボスという殺虫剤が検出され、もやしには工業用漂白剤のチオ硫酸ナトリウムが使われていたこともある。また、以前にはセロリから有機リン系の農薬・クロルピリホスが検出された。この農薬は微量で中毒症状に陥り、大量摂取の場合は呼吸困難で死に至るといわれる劇薬なのです」(大手商社関係者)