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VWとの裁判長引くスズキの御曹司への社長交代劇“裏”

 軽自動車最大手のスズキで37年間にわたって経営トップの座にあった創業一族の鈴木修会長兼社長が6月30日付で会長専任となり、後任に長男の鈴木俊宏副社長が就任した。これ自体は既定路線だが、株主総会開催からわずか4日後に発表した“意外性”が憶測を呼んでいる。

 唐突な発表の裏に、国際仲裁裁判所で係争中の独フォルクスワーゲン(VW)との提携解消問題があるのは間違いない。実は修会長、株主総会で「諸手続はすべて完了した。結論が出次第、開示する」と待ちの姿勢をアピールした。ならば社長交代はそのタイミングに合わせても良かったはず。なぜ待ち切れなかったのか。
 「御大(修会長)は1月で85歳になった。もっと早く譲っても良かったのですが、線が細い御曹司ではVWに圧倒されかねない。そこで裁判所の判断が出るのを待って交代しようと腹を固め、気持ちを奮い立たせてトップに君臨してきたのです」(スズキ関係者)

 修会長はVWとの裁判が昨年暮れ、遅くても今年の3月ごろまでに決着するとにらんでいたようだ。現に発行済み株式の20%相当を上限とする自社株の取得枠を設定していた。VWが保有する19.9%の自社株買いシフトに他ならない。
 「御大自身がVWとの資本提携を実行した立場ですから、何とか判決が下りるまでとの思いでいました。しかし、ここまで長くなると待ちきれない。事業計画にも影響します。まあ、社長ポストを譲ったとはいえ、本人はCEO(最高経営責任者)を兼務しますから、経営体制の根幹は変わらない。すなわち、依然としてギネスブックものの“老骨にムチ”が続くのです」(同)

 たとえVWとの問題が有利に決着したとしても、今度は米ビッグ3の一角だったクライスラーを飲み込んだイタリアのフィアットが食指を動かしている。そんな輩を相手に御曹司社長がどう対抗するか。修会長は気が気ではないだろう。

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