明確な定義はないが、都会に生きる男女たちの恋愛やトレンド(流行、ファッション、恋愛模様など)を描いていることから、そう呼ばれるようになった。
各局ともプライム帯(午後7時から11時)に放送。主にF1層(20歳〜34歳の女性)をターゲットとした娯楽作品が大半を占めたが、現在も看板枠となっている月曜午後9時のいわゆる「月9ドラマ」と、木曜午後10時のドラマに力を入れたフジテレビがほぼ独り勝ち。
「君の瞳をタイホする!」(88年)、「抱きしめたい!」(同)、「君の瞳に恋してる!」(89年)、「愛しあってるかい!」(同)、「世界で一番君が好き!」(90年)、「東京ラブストーリー」(91年)、「101回目のプロポーズ」(同)など、ヒット作を連発した。
「月9のヒットによって、『月曜の街からOLが消える』などと言われたほど。とにかく、数字を取ったので制作費も湯水のごとく使っていたそうで、他局からしたらうらやましい限りだったようだ」(民放キー局のドラマ班スタッフ)
しかし、その後、バブルの崩壊とともにブームも去り、制作陣の“バブル感覚”が抜けきらないフジは、時代錯誤のドラマづくりで月9の視聴率も低迷続き。
当時の主演クラスは、女優では浅野温子、浅野ゆう子の「W(ダブル)浅野」、中山美穂、俳優は三上博史、柳葉敏郎、陣内孝則、江口洋介、織田裕二、吉田栄作らで、いずれも現在も一線級で活躍しているのだが…。
「いい時代を知っているので、ギャラは高めだし、要求は多いし、ある意味“個性派”ぞろいで使いにくい」(同)
現在の若手の役者陣からすれば、うらやましい時代だったに違いない。