テレビ番組における大学受験企画は、毎年のように行われておりおなじみといえる。だが、大学はゴールではなく通過点である。大学で学んだことをどう社会に還元するかが問われるといえるだろう。実際に大学に入った芸人たちはその後どうなっているのだろうか。
「大学に入り直し成功した芸能人の代表格といえばそのまんま東こと東国原英夫があげられるでしょう。1998年に風俗店で未成年と知らずに性的サービスを受けたことが発覚し芸能活動を謹慎。その後、中学総復習からやり直し、2000年に早稲田大学の第二文学部に社会人入試で合格します。在学中から政治家を志し、政治経済学部編入(のちに中退)を経て、宮崎県知事選に立候補し当選を果たします。その後は衆議院議員を経て、現在は政治評論家としてテレビで活躍しており、政界復帰も噂されます」(芸能ライター)
もともと東国原は読書家で推理小説『ビートたけし殺人事件』(太田出版)を執筆するなどインテリの側面があった。知識欲も旺盛なため大学で学び直す意義はあったといえるだろう。
「現在は落語家として活躍する月亭方正も、山崎邦正を名乗っていた32歳の時、立正大学の心理学部へ入学します。卒業後は大学院へ進むも中退。本人としては芸人としての行く末を案じ、さまざまなものに手をだした一つだったようですが、それでも『何かが違う』と思っていたようです」(前出・同)
月亭方正の場合は、その後に大阪回帰と落語家転身をなしとげ、そこがいるべき場所となった。だが遠回りをしたとはいえ、大学院まで進んだ大学生活もムダであったとはいえないだろう。一方で現代の大学生に同じく、何となく入学しそのまま中退に至った例もある。
「人気バラエティ番組『進め! 電波少年』(日本テレビ系)において、東大合格を目指して勉強をはじめた坂本ちゃんは、東大を受験できなかったものの、複数の私立大学に合格し、最終的に日本大学の文理学部に進学します。もともと日大の附属校に通っており、行きたかった学校のためです。しかし、芸人としてブレイクしたことにより多忙をきわめ7年間在籍するも卒業できませんでした」(前出・同)
まさに三者三様な大学生活である。受験を志す芸能人たちは合格をゴールとせず、その先のビジョンを見据える必要もあるだろう。