今年6月に転売防止法の施行が予定されているチケットとは違い、現時点で転売防止への有効打は存在していないサイン。こうした現状の中で、選手たちは一体どのような対応を取ればいいのだろうか。本稿では当面の対応策となりそうな3つの方法について、それぞれ以下に考えていきたいと思う。
■サインに宛名を入れる
現在ネット上に出品されている転売サインは、ほぼ全てといっていいほど宛名が入っていない。こうした現状は、宛名入りのサインはその価値が限りなく“0”に近くなるということを浮き彫りにしている。
ならば、選手側はサインを書く際に、必ず宛名を入れるようにすればいいのではないか。本当にサインが欲しい人ならば、自身の宛名が入るのはむしろ“ウェルカム”だろう。
■価値が無くなるほどの枚数を書く
王貞治氏や三浦大輔氏といった著名なOBが取り組んでいるこの方策。需要と供給のバランスが崩れれば、当然モノの価値は落ちる。非常に理にかなった方法といえるだろう。
ただ、この方法にはリスクもある。来る日も来る日も大量にサインを書く行為は、選手側に少なからず疲労をもたらすからだ。特に投手に関しては、最大の“商売道具”である腕を不必要に酷使することにもなる。
■サイン対応を取り止める
恐らく3つの中では一番簡単であり、一番“残酷”ともいえるこの方法。確かにサインを書かなければ転売品は減少するだろうが、それは同時にファン、特に子どもたちから夢を奪うことにもなる。まさに“諸刃の剣”といったところか。
今回は筆者が考える3つの方法について述べたが、本稿をご覧の皆様の中には「もっといい方法がある」という方もおられるかもしれない。もしそのような人がいるならば、ぜひ一度声を挙げていただきたい。
文 / 柴田雅人