「番組では、人工知能を駆使したCGキャラを、ドワンゴ側が宮崎監督に見せ、『この動きがとにかく気持ち悪いんで、ゾンビゲームの動きに使えるのではないか』と話しながらプレゼンしました。しかし宮崎監督は、頭を足のように使って移動するCGキャラの動きが、身体障害者の友人を思い出すとして『極めて不愉快ですよね』『生命に対する侮辱を感じます』と切り捨てました」(テレビ誌記者)
放送後、ネットではこの場面が切り取られた動画が拡散され、「放送事故のような空気」「なぜこれを宮崎駿に見せようと思ったのか」という声が飛び交うなど、大きな反響を呼んだ。
そんな宮崎監督といえば、柔らかな印象を与える風貌とは異なり、仕事に関しては厳しい一面を持っていることで知られる。特に過去、ヒロインのチラリズム描写に関して、あるスタッフに激怒したこともあったという。
「かつて宮崎駿が脚本・絵コンテを手がけた『耳をすませば』の時、作画を担当した近藤喜文のパンチラ描写に関して激怒したと言われています。映画ではヒロインの雫がしゃがみ込むというシーンがあったのですが、近藤氏はパンツが見えないように少女が手でスカートを押さえるという演出を行いました。しかしそのヒロインの演技が宮崎監督には耐えられなかったのです。なぜなら彼はパンツが見たかったというよりも、少女が下着を隠すというアクションを行うことで、自意識の芽生えたキャラクター像がその瞬間に出来上がってしまうと考えた。つまりそれが彼の意図したヒロインの性格と異なるため、パンツが見えないことがどうしても許せなかったのでしょう」(アニメライター)
この認識の違いにより、宮崎監督は「もう2度と一緒にやらない!」と言い放ったという。彼にとって、考えて行動する少女よりも、下着が見えようとも行動してから考える少女こそが、理想のキャラクターだったのかもしれない。
(柴田慕伊)