今月初め、朝青龍は「来週あたりから稽古(けいこ)を始めるかな」と珍しく早めの10月第2週からの稽古再開を宣言し、やる気をみせた。しかし、いまだにただの1番もやっていない。
こんな約束違反はまだ序ノ口と言っていい。12日、両国国技館で行われたプロレスラー・蝶野正洋のデビュー25周年記念興行にゲスト招待されたものの“無断欠席”。「来るという返事をもらったんだけどな」とスッポかされた蝶野はクビをかしげるばかりだった。
その2日後には「帰る予定はない」という場所直後の前言をみごとに翻し、「15日に(日本の国民栄誉賞に匹敵する)労働英雄賞の受賞パーティーをやるんだ」と称してモンゴルに帰国。3日後の17日午後、成田空港に再び姿を現すと「向こうはもう雪。今日も大雪だったら、飛行機が飛ばす、日本に来るのが1日遅れて(巡業に間に合わず)えらいことになるところだったよ」と苦笑いし、「パーティーには、国会議員をはじめ、大勢の人が来てくれて盛り上がった。疲れたけどな」と胸を張ってみせた。まさにゴーイング・マイウエー。18日の横浜市を皮切りに、次の九州場所が行われる福岡に向かってだんだん南下する秋巡業が始まったが、ここでも一向に態度は改まらない。
相撲協会は、今回の巡業から稽古をサボる力士を防ぐため、「稽古内容や行動で目にあまる者は理事会で処分する」ことを打ち出し、稽古の出欠、番数、稽古内容などを書き込むノートまで作成している。名指しこそしていないが、この改革のターゲットはサボりの常習犯、朝青龍に他ならない。
この新方式導入でさすがの朝青龍も脱帽、と思いきや、巡業初日の横浜では、土俵下まできたものの、稽古する素振りすら見せなかった自分のことは棚にあげ、「稽古するのは当たり前だよ。仕事なんだから」と周囲の力士の尻を叩いた。この朝青龍のわがまま、誰が、どうやって止める。