藤波が主宰するドラディションは9月6日に大阪大会を開き、その後は13日の札幌を皮切りに、4大会の北海道巡業を行う。
見せつけるべきは、昭和プロレスだ。前回の7・28新宿では、藤波は長州力、初代タイガーマスクとトリオを結成し、藤原喜明、グラン浜田、ヒロ斉藤と対戦。個々の存在感と安定感は抜群で、会場は大歓声に包まれた。
藤波は「今後も昭和のにおいがするものを出していきたい。若い頃は元気のいいところを出せたけど、いまは違ったアプローチで見せられるからね。実際、レジェンド路線への需要はあるし、特に地方からの要望が多い。金曜ゴールデンタイムの、いい時期のいい思い出が残っているんだと思う」とレジェンド路線を継続しながら、全国に昭和プロレスの良さを伝えていく考えだ。
ただし、必要以上に自分たち世代が目立つのではなく、若い選手たちとの共存共栄が団体の理想系だ。テーマはズバリ、温故知新。ドラディションには大日本プロレスの関本大介をはじめ、他団体の若手選手たちが参戦しており、藤波は「自分たちの試合を見て、若い選手が何かをつかんで育ってほしい」という。
また、折りを見て、レジェンド軍と若手選手の対決を組んでいく予定で、藤波は「新日本プロレスがいくつかに分裂して、いい形で世代交代ができず、プロレス界が崩れてしまった。長州や僕が育ったのは、猪木さんとの世代交代ができたから。今はいい世代交代ができてない」というひずみをドラディションのリングで少しずつ埋めていきたい意向だ。
新宿大会で長州が「時間がない」と藤波との一騎打ちを希望したことについては「唐突にやっても意味がない。徐々に熱を高めていきたい」と発言。機が熟して藤波VS長州が行われる時、それは最後の“名勝負数え唄”になるかもしれない。