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日本球界は平成の姨捨山

 ラロッカ、カブレラを故障で欠くオリックスが、セギノール(35)を獲得するという。02年のオリックスをスタートに04年から07年まで日本ハム、一昨年、昨年と楽天でプレーしたセギノールの日本球界復帰には、「もういいかげんにしろ」とうんざりする。ソフトバンクのペタジーニ獲得といい、これでは日本球界は平成の姥捨て山かと言われても仕方ないだろう。

 新外国人選手を獲得しても日本球界に適応するかどうかわからないリスクがあるから、安全策としてかつて日本でプレー、それなりの実績を残した外国人選手を復帰させる。取る球団側の論理だ。が、考えないといけないのは、リスク回避が別の大きなデメリットを生むことだ。
 プロ野球は、ファンが高い入場料を払って球場に足を運んでくれることで成立している。それなのに、手あかのついた中古外国人選手ばかり見せられてファンが喜ぶと思っているのか。
 メジャーでは芽が出なくてジャパニーズドリームをつかんだ阪神・バースや、日本球界で成功してメジャーへ逆輸入された阪神・フィルダー、広島・ルイスらは、日本のファンとしては誇らしいだろう。が、一度成功したからといって、その外国人選手を使い回している現状には失望しているだろう。
 各球団が外国人選手の実力を鑑定する眼力のなさを暴露しているからだ。だからお手軽に中古外国人選手を獲得する。それはファンに対する裏切りであり、同時に、日本プロ野球界をおとしめている。

 「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表が連覇しても、メジャー関係者の評価は上がっていない。『日本プロ野球の実力はしょせん3Aクラス』というのが、彼らの本音だ」。メジャーリーグに精通している日本球界関係者がこう語る。セリグ大リーグコミッショナーが加藤コミッショナーに対し、「大リーグのワールドチャンピオンチームと、日本一チームによるグローバル・ワールドシリーズ実現を」と提案した時に、レッドソックス・松坂は大歓迎している。
 「いくらWBCで勝っても大リーグの日本球界に対する見方は変わらない。ワールドシリーズのチャンピオンチームを、日本一チームが倒せば、少しは見直すでしょう」というのが、その理由だ。大リーグから見下ろされている、そういう厳然たる現実があるのに、中古外国人選手漁りをしている日本の球団の愚かさは救いようがない。一度野球を辞めていたメタボなローズが復帰してオリックスで本塁打を量産、打点王になったことなど屈辱的だろう。墓穴を掘っているのと同じだ。「日本球界は3Aクラスの実力」というメジャー関係者の見方に説得力を与える材料になるだけだ。

 最近は外れの外国人選手ばかりだった阪神が、今年はマートンという、久々に優良外国人選手を獲得した。かつて史上最強の助っ人といわれたバースを発掘しているのだから、死に物狂いぐるいでやれば、できないことはないのだ。お金のない球団の代表格の広島でも、ルイスのような掘り出し物を見つけられる。
 たらい回しの中古外国人選手という日本球界の元凶は、巨人ともいえる。ヤクルトの4番・ラミレス、エース・グライシンガー、横浜の守護神だったクルーンを、札束攻勢で横取りしている。他球団がせっかく見出した優良外国人選手を引き抜くなど最低、最悪のやり方だろう。そんなことをやるから、お金のない球団は中古の外国人選手獲得に走ることになる。

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