「まず今年の年末までに関して。小泉父子は、安倍政権が来年の参院選を待たずしてデッドロックに乗り上げるのが、実際はそれほど先ではないと読み切っている。つまり、下手をすれば年末にも行き詰まるということ。理由はアベノミクスのお粗末。一時は株高で国民に人気を博したが、それは円安誘導したため。中国依存の実態経済により、安倍政権は集中砲火を浴びる」
国際経済アナリストもこう解説する。
「日銀が10月1日発表した、大企業の製造業1万1000社の景気動向調査、いわゆる短観は、6月より3ポイント悪化。これは中国バブル大崩壊の余波で、日本の建機や部材は軒並み売り上げが激減している。今後の回復見込みもなく、大手建機メーカーは30代からも早期退職を募り始めている事態です」
中国株の大暴落は日本の株価にも直撃し、6、7月は2万円超えだったが、10月上旬で1万8000円を切った。
「株価が下がるうえ、今後は中国の爆買いに支えられていた国内小売店、観光業、不動産、電化製品なども、国慶節(10月1日)を境に大減速は必至で、年末は閑古鳥が鳴くでしょう」(同)
国内景気が多少上向いていたため安倍政権の安保法制の暴走に目をつぶってきた庶民が、一斉に批判を始める。それが年末までの気配だ。
さらに、小泉父子の来年1月から夏の参院選までの読みとは。
「景気悪化で庶民の不満がうっ積する中、安保法制に賛成した自民党参院議員の“落選運動”が、法制反対デモで俄然注目を浴びた学生グループ『SEALDs』を中心に起きた場合、自民大敗の予兆となる。そうした機運が高まれば、安倍首相は焦って来年夏の参院選時に衆参ダブル選挙を打つと読んだのが、小泉父子。そこで今、安保法制でハッキリ批判しておかないと自分も落選しかねない。逆に表明しておけば、将来に確実に芽を残せると読んだということ」(前出・政界長老)
衆参ダブル選挙では、自民党が辛うじて政権を維持したとしても大敗の可能性が大きい。となれば、安倍内閣は崩壊。さらに小泉父子の青写真は、自民党総裁選挙にも及ぶ。
「来年夏以降の目標こそ、安保法制批判をかわし、自ら堂々と当選、新内閣では本格的に閣僚を目指す事となる」(同)
では、次の総裁選争いはどうなるのか。
小泉父子は、複数名が立候補するとしても、本命は石破茂氏と安倍側近で“安倍スクール”の申し子・稲田朋美政調会長の争いになると読んでいるという。
「進次郎氏は石破氏に可愛がられ、尊敬もしている。しかし今回、石破氏が総裁選のために立ち上げた派閥『水月会』メンバーには加わっていない。理由は、総裁選の戦いは派閥の合従連衡プラス、無党派をどれだけ取り込めるかが勝負となるからだ。激しい戦いになった場合、派閥の外にいて石破氏のためにどれだけ働けるか。石破別働隊の役割が進次郎氏となる」(同)
もうひとつ、伏線として考えられるのは、菅義偉官房長官が突然派閥を結集し、総裁選に踊り出す可能性だ。
「菅氏は数年前から20人以上を集め、密かに勉強会を開いている。安倍政権の女房役を続投するが、安倍首相との軋轢も噂される菅氏が稲田氏と対立する可能性もある。その際、進次郎氏は同じ神奈川が地元の菅氏を無視することがどこまでできるか。そこも見込んで、今回は『水月会』に加わらなかったと見られます」(全国紙政治部記者)
そして新内閣では、確実に閣僚を目指す。
最後に、小泉父子は進次郎氏の入閣から総理までのピークをどこに見据えているのか。
「今回の講演会の質疑応答で、将来のことを聞かれた進次郎氏は、こう述べている。『'20年のオリンピック後こそが一番の正念場』、『ちょうど僕は40歳』。来年から4年間、閣僚や党役員を担いながら足場を固めていくということだろう」(前出・政界長老)
しかし、時代のスピードが速い今、進次郎氏の出番はさらに早まるかもしれない。