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惨殺犯が自首した動機

 痛ましい殺人事件が後を絶たない。犯人が捕まる様子もなく、どこかで悠々と暮らしていることを思うと、何故、殺された被害者は犯人の元へ化けて出ないのだろう…等と愚かしいことを考えてしまう。ところが、そんな事例は存在していた。

 1966年、アメリカのニュージャージー州ボゴタで、少女とその両親が惨殺された。特に少女のそれは凄惨で、血で染め抜かれた白のドレスを、警官が赤茶色のドレスと思い込み、報告したほどだった。しかし捜査は進展を見せず二年が過ぎた頃、事件以来閉鎖され、人を寄せ付けなかった少女の屋敷の周りで、子供達が集まり遊ぶようになっていた。邸内には入れないとはいえ、何かあってからでは遅い。警官が注意すると、窓から少女が遊ぼうと誘うのだと言う。警官は子供の言うこととまともに取り合わなかったが、その日の夜から大人達も、窓から手を振る少女を目撃するようになった。

 街が少女の霊で騒然となったある日。いっこうに手がかりの見つからなかった犯人が自首してきた。迷宮入りと思われた事件の突然の幕引き。警官は解せない自首の動機を犯人に訊いた。すると犯人は、最近になって枕元に少女が立つようになり、自首するよう耳元で囁くのだと言う。それが毎晩のように繰り返され、ついに耐え切れなくなって自首したのだ。すると、それ以後、少女が目撃されることは無くなった。屋敷も裁判が終わって1968年10月焼却された。

七海かりん(山口敏太郎事務所)

山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/

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