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【放送事故伝説】ワイドショーがきっかけでスピード逮捕!司会者もビックリ!

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 最近のワイドショーで見られなくなった企画に、「指名手配コーナー」がある。

 これは、テレビで全国指名手配となっている凶悪犯人の顔写真をテレビで紹介、一般市民から情報を募り逮捕へと導くというものだ。

 この「指名手配コーナー」の走りとなったとされる番組が、桂小金治が司会をつとめる『桂小金治アフタヌーンショー』(NETテレビ、現テレビ朝日)で、本番組がきっかけで逮捕された凶悪犯は少なくないという。

 1971年11月8日、『桂小金治アフタヌーンショー』は不法監禁、放火、殺人未遂などで全国指名手配されている元暴力団の構成員Aの顔写真を紹介した。

 このAという人物、自身が交際していた愛人の兄を包丁とピストルをちらつかせ自宅に監禁。居間部分にガソリンをまき、焼き殺そうとした容疑が持たれている。

 番組では、小金治ほか、警察関係者がこの事件を解説。「この男を知っている方は、番組まで情報をお寄せください」と紹介した。そこで、番組を見ていた東京都板橋区に住む老夫婦が「うちの近くで働いているあの人では……」と思わず顔を見合わせた。

 そして、『アフタヌーンショー』がまだ終わらない12時50分ごろ、老夫婦は警察に連絡し、男の自宅を訪ねた。すると、男は逃げようとしたので警察が身柄を確保。犯人で間違いないとのことで逮捕となった。

 男は自分の顔写真が『アフタヌーンショー』で紹介されたことなど、つゆ知らず、ボウリング場へ遊びに行くつもりだったという。なお、この捕物は番組で紹介されてから、わずか40分間の出来事だった。

 「犯人無事確保」の報は、すぐに『アフタヌーンショー』にも届けられ、小金治ほか番組スタッフは、あまりのスピード逮捕に驚きを隠せなかったという。

 近年、この手の「指名手配コーナー」は、犯人に接触した一般市民に被害が及ぶケースが想定されること、犯人をさらに刺激させる可能性があり、今は行われることはない。しかし、検挙率を考えたら、「指名手配コーナー」も世の中には必要なコーナーだったのかもしれない。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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