初の海外挑戦となった今春の香港GI・クイーンエリザベス2世Cでは直線200mまで先頭に立った。マツリダゴッホは世界制覇を手にしかけたが、外国勢の怒とうの追い込みに屈し、6着に沈んだ。
その後は5月2日に帰国。放牧を経て7月26日に函館入りし、今月3日、決戦の地・札幌競馬場へと乗り込んだ。
「海外遠征後はこのレースを目標に予定通りの調整ができた。札幌へ移動してから少しカイバ食いが落ちたけど、輸送をするといつもこんな感じだから。今は徐々に体も回復して、1週前の時点で490kg。有馬記念ぐらいの体で出走できる」
つきっきりで担当している奥村助手は順調な仕上がり過程を強調した。
1週前の札幌芝コースでは、主戦・蛯名騎手を背に5F64秒0。いつもと違う背中の感触に、ゴッホも競馬が近いのを察知したのか、直線を迎えると自らハミを取り、ラスト1Fは11秒8を計時した。馬インフルエンザの影響で順延となった昨年(1番人気で7着敗退)に比べると段違いの状態の良さだ。
「香港では残念な結果になったけど、海外を経験したことで馬がすごくタフになった。得意の右回りだし、いい結果を出して秋を迎えたい」
これまでに挙げた8勝のうち実に7勝を中山で稼ぎ出しているマツリダゴッホ。中山しか走らないという声もあるが、その“自分の庭”以外で唯一、勝利を挙げているのがここ札幌だ。グランプリホースのメンツにかけても、ローカル重賞では負けられない。