『シャンハイ』は、1941年の上海を舞台にした映画。渡辺は日本海軍の諜報部員を、菊地は物語のカギを握る謎の日本人女性を演じる。20日から全国公開。
登壇した渡辺は、自身が演じるタナカ大佐を「あんまりこういう奴が家の中にいてほしくないでしょうね」と紹介した。役作りにあたっては、当時のエリート将校が外国に駐留してキャリアを積んだことをかんがみ、監督と相談し、タナカ大佐はイギリス留学経験ありの設定にしたという。渡辺は、役作りのため、クイーンズ・イングリッシュを一から勉強し直した逸話を明かした。
また、劇中に渡辺の「男はロマンチストだ」とのせりふが登場するというが、渡辺自身の評価は「ロマンチックからほど遠い男(=タナカ大佐)がしゃべるところに一つの妙技があるのかな」。しかし、現実の男については、「けっこう、とんまな生き物ですから」「いろんなことに幻想を抱いたり、妄想したり、そういうロマンチストはたくさんいると思います。僕もその1人です」と笑った。
一方、渡辺とは初共演となった菊地は、渡辺の印象を「でっかくて大きい人」「世界を舞台にしている方」と語り、いろいろな方向からさまざまなアイデアを持ってトライする渡辺の姿勢から学び、「『シャンハイ』のあとの作品に生かされた」と振り返った。
同作品の初リリースとなった中国ではすでに公開が始まっており、ミカエル・ハフストローム監督は、中国の観客にも伝わったというヒューマン・ドラマの部分を見てほしい、とファンにあいさつをした。(竹内みちまろ)