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マクドナルド異物混入事件 ペヤングより酷い危機管理「全内幕」(2)

 また、この4件以外にも、以下のような苦情が消費者から寄せられているという。
(5)ポテトから金属片(昨年8月・鹿児島県)
(6)ハンバーガーに差し歯のようなもの(昨年9月・北海道釧路市)
(7)ナゲットから青いゴム片(昨年10月・岡山県津山市)
(8)ハンバーガーに鉄くず(昨年12月・埼玉県川口市)
(9)ナゲットからスポンジ(昨年12月・埼玉県吉川市)
(10)ソフトクリームにビニール状の紐(1月7日・長野県松本市)
(11)マフィンに針のようなもの(1月8日・埼玉県川越市)
 「日本マクドナルドは苦情が寄せられた当時、(5)(6)(7)に関しては製造工程で混入した可能性が高いとしている。(8)(9)については、県が保健所を通じて2店舗に衛生指導を行っている。埼玉県食品安全課によると、鉄くずは長さ約1.5センチ。検査した結果、店内でハンバーグを焼く鉄板を掃除した際に混入した可能性が高いとのことです。吉川市の場合も店内の調理室で使うスポンジの一部が混入した可能性が高いとみられている。(10)(11)は現時点で調査中です」(社会部記者)

 とにかく挙げ連ねればキリが無いが、ここへ来て各店舗には今回の騒動に便乗した“クレーム”も登場。単に言いがかりをつける客も急激に増え始めているという。
 ジャーナリストの窪田順生氏が言う。
 「異物混入は、食品業界では一定の確率で発生するものです。ここへきて増えたのは、実際に急に増えたということではなく、一種のアナウンス効果だと思います。過去にも大きな少年犯罪が起き、それが報道されると連鎖して少年犯罪が発生した例もある。同じように、トラブルを知った消費者が過去に体験したことを掘り起こしてネットに公開したり保健所やマクドナルドに訴えていくということはあると思います」

 菅義偉官房長官は7日のマクドナルドの会見前、政府の対応について「まず会社でしっかり発表することだと思うし、厚生労働省や所轄保健所に具体的なことを報告すると思う」としているが、カサノバ社長は欠席した会見でお茶を濁そうとしているのか、1月12日の時点でも会見の予定が発表されていない。これでは“不審火”は大きくなるばかりだろう。
 「問題は外食産業でありながら、商品を作る労働をアルバイトや派遣労働者を使って、信じられないぐらいの低コストで商品を販売している体質です。いくら素晴らしいコンプライアンスやガイドラインを持っていても、消費者から苦情が来た際に現場で処理して、本社に上がらないような事をやっていたら話にならない」(大谷氏)

 同社の経営状態は悪化の一途をたどるばかりだ。昨年12月の売り上げが、7月に発覚した仕入先の中国食品加工会社の使用期限切れ食材の影響もあり、前年同期比21%減少だったことも判明している。
 「使用期限切れの問題でカサノバ社長はあくまで被害者の立場を強調したが、これは顧客と同時に各店舗の店員も首をかしげる対応でした。揚げ句に商品価格をコロコロ変えたことで現場が混乱し、代金誤徴収も発生して立て続けに迷走ぶりを露呈している。マクドナルドのキャッチコピー『i'm lovin'it』(私のお気に入り)にはほど遠い状況です」(流通誌記者)

 かつての“デフレの勝ち組”に立ち直る術は残されているのだろうか。

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