1月30日、自民党本部で開かれた青年局役員会議で、意気揚々と挨拶したのは小泉進次郎青年局長。同会は衆院選前の18人から、一気に82人とその規模を倍増させたが、これが党内に思わぬ波紋を広げているのだ。
政治部記者がこう語る。
「実は、選挙後初めて行われた青年局役員会は、『進次郎派の立ち上げ式では?』と評判なのです。というのも、同会の会員数は今や党所属議員の5分の1を超え、最大派閥の町村派80人を凌駕するほど。そのため今後は派閥の領袖たちが進次郎氏の懐柔、若手議員の取り込みと切り崩しを行い、青年局が草刈り場となることが指摘されているのです」
ちなみに、青年局の参加議員は規定により45歳以下の者(当選回数、衆院1〜3と参院1〜2回)ばかり。それだけに、派閥の領袖たちが切り崩しに動くとは信じがたいが、コトはそう簡単な話ではないようだ。
実は安倍バブルに沸く自民党内では現在、熾烈な派閥抗争が勃発中。その端緒は、総選挙圧勝時にまでさかのぼる根深さ。
「そもそも、旧態依然とした派閥抗争が勃発したのは、安倍総理が衆院過半数を上回る294議席を獲得し、再登板したため。側近の麻生副総理兼財務相と菅義偉官房長官が党内掌握のために、“ポスト安倍”の最右翼である石破茂幹事長の勢力を削ごうと躍起になったからなのです」(自民党議員)
この議員によれば、コトの発端は党内人事だったという。麻生氏は総選挙大勝の功労者である石破幹事長の「留任」を認めたが、反面、石破氏が求めた小池百合子氏や鴨下一郎氏の重用に猛反発。副総裁に高村正彦氏、政調会長に高市早苗氏、幹事長代行に細田博之氏などの安倍−麻生ラインを押し込み、石破氏を孤立させる方策を展開したのだ。
「そのためか、『政高党低』の極めてイビツな政権が出来上がった。本来、幹事長や政調会長が関与するはすの予算編成も財務相の麻生が仕切り、党には一切連絡なし。石破はこの間、健気にも報道陣に『総理とは電話やメールでやりとりしている』と取り繕っていたが、実情は1月20日まで安倍とサシで話したことがない有様だったのです」(同)
もっとも、この“放置プレイ”に怒りを露わにしたのは、総裁選で石破氏を推した無派閥議員たちだ。