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「原続投表明」で他球団スカウトにも動揺が…

 原巨人のライバルは真弓阪神でもなければ、落合中日でもない。今秋、北海道日本ハムファイターズとの『大一番』が控えている。

 渡辺恒雄・球団会長(85)が一部メディアの単独取材に応じ、条件付きながら、原辰徳監督(53)の『来季続投』を明言した。広島など、契約終了年の指揮官を抱えるいくつかの球団は続投表明を出しており、折り返し地点ともいえるこの球宴前後に監督人事の行方を明言するのは決して珍しいことではない。
 「来季、監督、コーチを新しく招聘する際、この時期に下交渉をするのが球界の慣例です」

 指導者経験を持つプロ野球解説者がそう言う。渡辺会長が「3位以内なら続投」と答えた目的は、いくつかある。江川卓氏など後任人事に関する報道が先走っており、その雑音を封じる必要もあったのだろう。『クライマックスシリーズ進出』が来季続投のノルマであるならば、それほど難しい話ではない。仮に4位に終わったとしても、試合内容が良ければ清武英利GMたちも原監督を擁護するはず。もっとも、同会長が「続投」を示唆したからと言って最終決定ではないのだが、巨人は原監督を続投させた方が得策となる懸案も抱えていた。今秋ドラフトの雄、菅野智之投手(東海大)の一本釣りだ。
 菅野投手が原監督の甥っ子であることは説明するまでもなく、球界には親族の指名は遠慮する慣例もある。一部球団は「澤村(拓一=23)、菅野と、2年連続で事実上の逆指名を許したら、ドラフトは形骸化してしまう」と“強行指名”を示唆していた。しかし、その発言をした球団の別スカウトに聞き直してみたら、意外な答えが返ってきた。
 「どうなんだろう? 指名しても入団しない選手を指名しても…」

 一体、どちらが本当なのか−−。また、別の球団スカウトはこう解説する。
 「原家とパイプを持っているのは、原貢氏(原監督の父)の教え子の苑田聡彦スカウト部長がいる広島だけ。その広島が地元出身の野村祐輔(明治大)の指名を表明した時点で、原家とのパイプを持つのは巨人だけになりました。多かれ少なかれ、どのチームにも東海大グループ卒の選手、スカウトがいますから、あえてリスクをおかすようなことはしないと思いますよ」
 原貢氏は今も東海大グループの野球部に強い影響力を持っていると言う。つまり、原監督を続投させることによって、菅野投手の単独指名が実現できるのだ。
 しかし、東海大グループ卒のスカウトが1人もいない球団もある。日本ハムだ。日本ハムが仮に菅野投手を強行指名したとしても、肩身の狭い思いをするスカウト、球団職員はいない。
 「巨人と太いパイプを持つ中央大学に、井上晴哉(内野手)というスラッガーがいます。澤村を一本釣りした直後ですし、巨人が下位で井上を指名してくるとの見方もされています。でも最近、その井上を日本ハムスカウトが追い掛けています」(在阪球団スカウト)
 日本ハムスカウトの行動は巨人を牽制する効果も十分にあったようだ。

 近年、巨人、日本ハムの両球団はトレードを多く成立させるなど良好な関係にある。フロント役員も球団組織、運営面で意見交換するなど、良い意味でライバル関係を構築している。だからといって、ドラフトで情を挟むことはないだろうが、渡辺会長の『続投宣言』は菅野強奪を模索する他球団のスカウトに二の足を踏ませる効果もあったようだ。
 ドラフトの情報は日々、変わる。また、渡辺会長も過去に発言を撤回したこともあった。やはり、雑音を封じるには原監督が後半戦で巻き返すしかない。

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