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<タイムスクープハンター> “ご先祖様”を蘇らせる名優たち

 NHKの<タイムスクープハンター>。
 タイムスクープ社の命を受けたジャーナリストの沢嶋雄一(要潤)が、過去の日本へタイムワープ、歴史上の有名人物ではなくあえて一般人に密着取材して、歴史の陰に隠れたほんとうの物語を浮かび上がらせる…そんな斬新な設定のドキュメンタリー風歴史番組だ。先日7日には、第11話〔駕籠かき突破口〕で2ndシーズンを終えたばかり。
 この最終回の放送直後から、2ちゃんねる実況板の同番組スレッドには、いままでの回をも称える、番組全体を賞賛する声が堰を切ったように殺到した。
 「無名俳優がきらめいている」「はじめてみたがDVD買う」「NHKの本気をみた」などの書き込みは5スレッド程度続き、人気の高さをうかがわせた。

 あらためて、タイムスクープハンターは、たんに、理屈抜きに面白い。1stシーズンのある回では−−。

 役者がほんとうに頭を剃り上げた“落武者”登場。命からがら山中に逃げてきた落武者が、農地を荒らされたことで戦争に怒りをもつ農民たちのつくった罠により糞尿の水を飲まされる。さらに農民たちに見つかって襲われる…そんな妙にリアルな展開にドキッとさせられる。
 と思ったら、そんな落武者たちにマイクを向けてインタビューを取っている沢嶋…服装は奇抜で明らかにへん。(なんだこりゃ?)と思ったら、「いやーまいりましたね…」と落武者が取材に応じている…“特殊な交渉術”をつかって怪しまれずに過去の人に同行取材が出来ているらしいのだが、こんな番組、うっかり見たが最後、引き込まれないはずがない。

 名もないご先祖様をだいぶ身近に感じたところで、最後は思わずホロリとさせられる…そんな手法が、また奮っている。

 1stシーズン最終回では、ひとりの手形の偽造が発覚して、箱根の関所を通れず仲間割れの喧嘩を始めた3人娘が登場。「大体あたしたちが大名の娘に見える?」と、沢嶋に逆切れ。(こんなリアルな展開あり?)と思わせておいて、ハッピーエンドとともに「彼女たちが教科書に載ることはない。しかし、こういう彼女たちの小さな勇気が積み重なって、144年後はじめて女性に参政権が認められたのである」、と結ばれれば、つい主人公たちへ生まれていた親近感から、涙腺が緩んでしまう。

 2ndシーズンでも、本当は心優しき不良・“かぶき者”が、時代の要請もあり問答無用に役人に捕らわれ重罪に処されるのをわかっていて、不良グループを抜けた裏切り者であるはずの仲間を自分の流儀だけに従い助けに行き、息を呑む大立ち回りのクライマックスへ…。
 また別の回では、お互いの進退をかけ都会・江戸の流派の算術家の出す問題を、自分の生徒たちに見守られながら、農民出身の先生が全力で時間内に解こうとして奮闘開始…。
 なぜか手に汗が…そして結局最後は、目に汗までかかされてしまうのである。
 そう、確かに(ご先祖様に出会えた〜)、という感動とともに。
 
 そんな人気番組で、およそハズレの回がない最大の要因は、ドキュメンタリーの登場人物と見紛うリアルさで愛すべきご先祖様達を演じている主役・脇役の俳優らの、印象的且つ時に神業と言ってもいい熱演の数々があるからではないだろうか。
 そこで、番組の制作関係者の方に聞いてみた。

 −−俳優さんに演技上共通して求めていらっしゃることはなんですか?
 「求めているのは、ある状況に対しての人間の持つリアルな反応や間合いといったものでしょうか」

 −−ブレイクが期待される俳優さんなどいますか。
 「出演していただいた方々は、皆実力のある方ばかり。なぜ今までブレイクしていないのか逆に不思議。制作サイドとして、そんな素晴らしい俳優たちの活躍できる場をもっともっと作っていかなければと気づかされました」

 −−今後の抱負をお願いします。
 「このシリーズでまだまだやれることはたくさんありますし、やらなければならないと思っています。いい意味で視聴者を裏切りたいし、もっともっと多くの人にこの番組を知ってもらいたいですね」

 一区切りついたばかりだが、今後の展開が待ち遠しい。(了)

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