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「スベる」を広めたダウンタウン松本、他には?

 12月1日放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)の人気企画「本音でハシゴ酒」に俳優の大泉洋が出演した。番組の途中、ダウンタウンの松本人志が大泉を「スベってる」と言うと、大泉が慌ててさえぎる場面が見られた。大泉は「あなたが『スベってる』と言うと、こっちはスベってるようになってしまう。日本をそういう国にあなたは作り変えてしまった」と述べた。冗談まじりとはいえ、松本が笑いの構造を作り変えてきたのは確かだろう。

「『スベる』は、本来の意味は『試験にスベる』といった用法で使われていました。それをお笑いにおいて失敗した状況を指す言葉として、松本が広く広めたといえます。それまでは、芸人の間では『笑いをはずす』といった言われ方をしていたようです。笑えない状況やつまらない空気を指す『サブい』という言葉も、ダウンタウンによって全国的に定着したといえるでしょう。このほかにも、『どや顔』『からみにくい、からみやすい』といったフレーズも松本発祥といわれていますね」(放送作家)

 ダウンタウン、特に松本が広めたものは言葉だけではない。芸人のスタイルも同様であろう。

「ダウンタウンは、吉本興業の芸人養成所であるNSCの1期生です。それまで芸人になるには、特定の師匠に弟子入りするのが通例でした。時には師匠宅に住み込み、掃除洗濯から師匠の身の回りの世話までをこなします。若手時代の松本はトガッており、『それが芸の役に立つのか?』と根本的な疑問を投げかけていました。今では当たり前となっていますが、師匠を持たずに自分の笑いを追求するスタイルは、松本が最初に作り上げたものなのです」(前出・同)

 はからずも大泉は、松本の才気を言い当ててしまった。それだけ強い影響を受けているのかもしれない。

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