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円安で日本が単独首位 受注急減で完全崩壊した中国造船バブル

 欧州中央銀行の追加支援で、ギリシャのデフォルト問題は鎮火傾向。一時は暴落していた上海株式市場も落ち着きを取り戻し始めたが、その最中の7月15日に中国の国家統計局は、4月〜6月の国内総生産が前年同月比7%増と発表した。
 ところが、前後して中国メディアが「世界一の受注量を誇った中国の造船業が壊滅的!」と報じたことから、再び中国バブルの崩壊が囁かれているのである。
 船舶アナリストが言う。
 「過去3年間の世界の船舶受注数は中国、韓国、日本の順で、中国は世界一の造船国家として知られていたのです。中でも鉱石や穀物を輸送するバラ積み貨物の建造は日中で世界の50%以上を占めていたが、これを含む受注量が激減し、今では日本、韓国、中国の順になってしまった。そのため、同国の造船界には大逆風が吹き荒れているのです」

 ちなみに、'10年に中国国内に3000社あったといわれる造船メーカーは、現在約100社。しかも、実際に稼働しているものは20社程度とみられ、今後は造船業自体が消え失せる可能性も指摘されているのだ。
 このため、業界の荒廃ぶりは凄まじい。
 「国内では、5000人もの従業員を抱える造船会社が大量リストラを行う例も出始めているという。造船業界が壊滅的な打撃を被った原因は、加速化する円安で日本に受注を奪われたためだが、これを支えるために中国政府は東シナ海や南シナ海の海洋覇権を担う海軍や中国海警局の船を、大量発注しているとの話も聞こえているのです」(同)

 ただ、気になるのは世界一の受注量を誇った中国造船業界の埋没が、いまだ不透明感の漂う同国の経済に、どんな負の連鎖を巻き起こすのかという点だろう。
 経済部の記者が言う。
 「中国のお家芸と言われた造船業の地盤沈下は、ボディーブローのように経済を侵食するはず。しかも上海株は、いまだ政府が約3兆円の資金を投じ買い支えている状態で、これらがパンクすればバブル崩壊の機運は確実に高まるはずです」

 中国発の世界恐慌は、いまだ危機的状況にあるのだ。

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