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麻生首相訪朝説

 支持率低下で追い詰められた麻生太郎首相(68)の“電撃訪朝説”が浮上した。やたら「解散権は自分にある」ともったいぶるうち、中山成彬前国交相の暴言辞任や米金融危機に端を発する景気不安が政権を直撃。解散総選挙を打つに打てなくなった状況を打破するため、麻生首相が解散前に北朝鮮訪問を実現。強いリーダーシップをアピールするのではないかとの見方が永田町で広がっている。

 「麻生首相が日の丸をつけた政府専用機でさっそうと平壌空港に降り立つ。動画や写真による動静は伝えられていない金正日総書記とがっちり握手を交わし、拉致問題進展に直接乗り出す。国内問題の何をどう解決しようと、これに勝るリーダーシップのアピールはない。政権浮揚のため何が何でも実現したいはずだ」と全国紙政治部記者。
 麻生首相は2日に拉致被害者家族と首相官邸で面会している。これも当初は河村官房長官らが面会予定だったところを、麻生氏が「家族の思いを直接聞きたい」と急きょ、ねじこんだという。
 「被害者家族には『拉致問題は時間との勝負』と総力戦を約束した。小泉元首相ばりのサプライズ訪朝を腹に秘めているのだろう。総裁選直後の各種世論調査の支持率が予想を下回るものだったため、そのころから麻生は北朝鮮訪問を本気で考え始めたようだ」(政界消息筋)
 そもそも、内閣の顔ぶれを見ると極端な“対北朝鮮シフト”を敷いている。
 自民党は昨年12月、山崎拓衆院議員を中心に北朝鮮との国交正常化を目指す議員連盟「朝鮮半島問題小委員会」を発足させたが、同委員会の副委員長がそろって閣僚入り。河村官房長官、中曽根外相のほか、中山氏の後任に抜てきされた金子国交相も名前を連ねている。福田前政権で拉致問題担当相を務めた中山恭子参院議員は、首相補佐官。安倍政権下で拉致事件捜査を指揮した元警察庁長官の漆間氏は官房副長官に充てた。
 さらに、民主党への逆質問ばかりクローズアップされた所信表明演説では、北朝鮮との「過去清算問題」について言及している。
 前出の政治部記者は「特に歴史認識で暴言の目立つ麻生氏にしては、慎重な言い回しだったのが印象的だった。明らかな北朝鮮へのメッセージだろう。重厚な布陣にも、もちろんそれなりの理由がある。問題は金総書記の病状だが、ヒル米国務次官補が今月初めに訪朝していることからも分かるように健在とみていい。でなければ北朝鮮が訪問を受け入れるはずがない。進展があって10月末にも6カ国協議が開かれれば、11月の解散直前に麻生氏訪朝というプランになるのではないか」と話す。
 しかし、訪朝を画策したとしても、現実はそう甘くない。北朝鮮事情に詳しい河信基氏は「現時点では北朝鮮が麻生を受け入れるとは考えにくい。最低でも制裁の一部解除が必要だ」と指摘する。つまり、“手土産なし”では訪朝できないということだ。
 小泉元首相は2002年、04年と2度にわたって訪朝し、金総書記から拉致事件への謝罪を引き出し、5人の拉致被害者を帰国させた。麻生氏が電撃訪朝して新たな拉致被害者が帰国すれば支持率は上昇するだろうが、何の成果もなければ急落は避けられない。
 「麻生首相の言動を見ると、何を考えているかがはっきり分かる。イチかバチかのマンガ的発想をするタイプだ。麻生がモデルとしているのは小泉元首相だが、悲しいことに小泉ほどの構想力はない」(前出の政界消息筋)
 訪朝は“諸刃の剣”。所詮、奇策は奇策でしかないのか?麻生氏の動向に注目が集まる。

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