9月の内閣改造で進次郎氏の入閣はほぼ決定的。菅氏はポスト安倍に上りつめ、次は進次郎氏に禅譲の流れを作る魂胆だという。2人の蜜月で「菅・進10年帝国」も動き出す気配だ。
一連の動きを自民党幹部が解説する。
「進次郎・滝クリ結婚で参院選後、マスコミの話題を集めていた山本太郎氏の話題もぶっ飛び、自民党や立憲民主党などの野党は大喜び。しかし、自民党内で電撃婚以上に大きな話題となっているのが、やはり進次郎氏が菅氏に急接近した裏ですよ」
在京テレビ局ベテラン政治担当記者もこう言う。
「単に官房長官への結婚報告なら何も目立つ官邸でなくてもいい。たまたま日程が開いていたとされる? 安倍首相に報告したうえでの異例の官邸結婚会見となった。そこから見えてくるのは、菅氏と進次郎氏がこの日に向け練りに練ったサプライズの大演出です」
夕刊紙記者が続ける。
「菅氏がこの演出を狙ったのには理由がある。8月7日の結婚会見から3日後の10日発売の月刊誌『文藝春秋』で、菅氏は進次郎氏と対談していた。世間が最も関心を寄せる中で、互いの緊密さと今後の連携を強くアピールしたかった。狙いはズバリ的中した。例えば、菅氏は対談の中で進次郎入閣に太鼓判を押し、さらにポスト安倍候補としても認めた。それに対し進次郎氏は互いの選挙区をもじり『横浜・横須賀コンビ』と称し親密度をアピールした。互いの存在を高く評価し合った背景には、官邸結婚報告と月刊誌『横・横コンビ』のダブル宣言で進次郎氏は事実上、石破派シンパから菅派に鞍替え宣言したことになる。この踏み絵に安倍首相も快く“進次郎氏入閣を約束した”と、もっぱらです」
★ポスト安倍一番手に浮上
では、菅氏と進次郎氏は今回の「血の契り」を契機に今後の政局をどう動かそうとしているのか。まず進次郎氏。結婚相手の滝クリといえば、2013年9月の東京五輪招致決定時、安倍首相らと共に汗を流した招致メンバーの1人。プレゼンスピーチの「オ・モ・テ・ナ・シ」は、その年の流行語大賞にも選ばれた。そのためか滝クリは常に安倍シンパとみられてきた経緯がある。
進次郎氏周辺関係者がこう証言する。
「今回の菅氏接近には滝川の影響が大きいと聞く。滝川との交際の中で、反安倍氏一辺倒だった進次郎氏にも疑問が生じ始めた。“石破支持だけでいいのか”“このまま国民的人気はあっても無役の老兵になるのでは”という焦りです。そんな折、進次郎氏は滝川のススメもあり、安倍首相の右腕・菅氏に腹を割って相談したといわれています。そこで菅氏が周到なシナリオを描いた。初閣僚入りの条件が、踏み絵となる官邸での首相への結婚報告と会見、そして同時に菅氏との月刊誌対談だったのです」
進次郎氏とタッグを組む密約をした菅氏には、計り知れないプラスとなる。
「菅氏は『令和おじさん』人気でポスト安倍が俄かに現実味を帯びてきた。しかし、そこに到達するには現実的には党内基盤を強固にしなければなりませんからね」(政治アナリスト)
菅氏が進次郎氏という人気ジョーカーを手にすれば、勉強会『2020年以降の経済社会構想会議』などに参画する福田達夫衆院議員(細田派)や村井秀樹衆院議員(岸田派)ら派閥横断の若手議員約30人との連携が可能となる。
「党内基盤を強くするのが総裁選の第一歩なら、お膝元である神奈川県選出の国会議員のパワーバランスを強くするのも重要です。神奈川には衆参で選挙区、比例区合わせて20人の国会議員がいる。その内、最も影響力を持つのは菅氏とは犬猿の仲の麻生太郎副総理兼財務相です。麻生派は10人、それに対し菅派を標榜するのは1人。あとは進次郎氏ら6人が無派閥という勢力図です。進次郎氏が菅シンパになれば、隠れ菅派の三原じゅん子氏らを含めた自身の派閥が拡大し、地元の足元ががっちり固まるのです」(神奈川県議)
7月21日に行われた参院選で菅氏は全国を東奔西走。広島選挙区をはじめ、全国でも菅シンパ議員が続々誕生した。ここに隠れ菅派、新たに進次郎グループが加われば、党内基盤は盤石となり、ポスト安倍の座は一気に近づく。
安倍首相にとってもメリットは絶大だ。
「進次郎氏は踏み絵を踏んだ。その恭順の姿勢と進次郎人気を鑑みて、入閣の筆頭ポスト候補は五輪担当相でしょう。滝川が招致メンバーで大活躍したので進次郎氏が五輪相ならダブル効果で盛り上がるのは必至だろう。さもなくば未来の総理の登竜門、安倍首相自らの出世ポストになった官房副長官だ。いずれにしても、進次郎氏は石破氏から距離を置いたことがはるかに重要なのです」(安倍首相側近)
★韓国語が話せるアゲマン
安倍一強の中でも、政権運営に抜かりはない。
「総裁任期は’21年9月。それまでに解散は必至と見られている。だが、首相優位で解散を打てるタイミングは限られてくる。来年の五輪前は無理。五輪後も景気減速は必至で無理。すると、今年11月解散がビッグチャンスなんです。というのも、10月に消費税をアップしても直接の影響はまだ出ないタイミングだからです。しかも、10月には195の国から要人が訪れ、新天皇の皇位継承儀式が行われ、国内は祝賀ムード一色。そこで進次郎氏が五輪相などで頻繁にマスコミに登場すれば大いに盛り上がる。その流れで『11月滝クリ解散』に持ち込む。滝クリとのW効果で自民党大勝の可能性は高い。安倍内閣は’21年まで強気の政権運営ができるわけです」(同)
政治家と結婚した女性タレントといえば、女優の司葉子が有名だ。司は大蔵官僚だった相澤英之氏と結婚、その後の相澤氏は衆院議員に当選、経済企画庁長官まで務めた。また、タレントの高見恭子と結婚した元プロレスラーの馳浩氏は文部科学相に抜擢されている。
「司は相澤氏の鳥取選挙では絶大な人気を誇り、集票マシーンで大活躍。高見は内助の功で裏方で奔走。2人は、あげまん妻として有名です」(スポーツ紙記者)
滝クリはどうか。進次郎氏は女性層から圧倒的な人気を誇るだけに「総理夫人狙い」「でき婚」というバッシングがある一方、結婚会見時のワンピースが「結婚できるワンピース」として問い合わせが殺到するなど、早くも「未来のファーストレディー」人気も先取りしている。
また、あまり知られていないが、滝クリは得意の語学力が6カ国あり「英語とフランス語に加え、韓国語なども話せる。この意味合いは大きい」(政界関係者)という。「要は、進次郎氏が仮に外相や五輪相についた場合、膠着する日朝交渉や嫌韓、反日ムードが収まらない日韓関係の“緩衝材”に滝クリはなりうる存在」(同)と指摘する。
滝クリは独身時代から常に、政治家転身説が取り沙汰されたのも事実。今回も「結婚を機にゆくゆくは、クリステル自身が政治家に転身し、日本のジャンヌ・ダルクになるかも」の噂も飛び交う有様だ。
でき婚に“表なし”。