「まだ会社はオレを認めていないのか」。後藤は打ちひしがれていた。約1年半に渡るメキシコ遠征後にヘビー級転向。前シリーズでは山本尚文や飯塚高史をシングルで粉砕したものの、絶好のアピールとはならなかった。
だが、ようやくチャンスが到来した。10・8両国国技館大会でドヒール軍団GBHのリーダー“猛牛”天山広吉とのシングル戦が決定。会見では「とりあえず天山は昨年のG1覇者。やっと潰しがいがある相手だ」と薄ら笑みを浮かべ「アイツのツノをへし折ってやる」とほくそ笑んだ。
すべては次期タイトル挑戦のためにほかならない。「あくまで天山とのシングルはG1覇者の棚橋、IWGP王者の永田とやるためのアピールの場に過ぎないでしょう。まあ、タイトルマッチ組まざるを得ない状況をつくってやりますよ」。完全に天山戦は踏み台に過ぎないハラだ。
悲願のIWGP挑戦に向け、内容が問われる猛牛退治になるが、すでにゲームプランはできている。後藤は「天山といえば坐骨神経痛。あそこから攻めていくのがセオリーじゃないか」とし「有効な技だとメキシコ修行で覚えたバックブリーカーが5つぐらいパッと浮かぶ」とうそぶく。
猛牛狩りの自信の表れなのか、過激な挑発メッセージまで飛び出す。後藤はややニヤケ顔で「お楽しみは試合終盤の天山だ」と断言すれば「間違いなく天山はフラフラになる。そのさまは猛牛ではなく、まさしく狂牛だろうよ。そう、あの猛牛を脳みそスカスカのヘタリ牛にしてやるのさ」と不敵予告。まさかの“BSE葬”で猛牛を公開処刑しようというのだ。
猛牛に壮絶KO予告を放った後藤。悲願のIWGP挑戦のためにも猛牛退治で強烈なインパクトを残したいところだ。