一番多いのは、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加を渋ると地震兵器で脅迫されるという都市伝説である。あくまで偶然に過ぎないのだが、TPPへの参加を渋っていたニュージーランドに昨年、今年と巨大な地震が起きてしまい、その後参加したのは事実である。ニュージーランドのTPP参加が、地震兵器による脅迫の結果とは単純に思えないのだが、陰謀論者はこの説を強く主張する 。となると日本が土壇場で、TPP参加を拒否した場合、再び日本を地震が襲うのであろうか。都市伝説とはいえ、不気味な話である。さらに、TPPは近い将来に成立するとされている『環太平洋経済ブロック』への布石だという都市伝説も流布されている。アメリカを中心にカナダ、メキシコ、ペルー、ニュージーランド、オーストラリア、ベトナム、日本、韓国など環太平洋の国々を網羅する巨大な経済ブロックが構成され、新貨幣アメロが使用されるという都市伝説である。あながち可能性がないと言えない話だが、あくまで都市伝説という形で紹介しておこう。
また、こんなリーク情報が海外のニュースサイトで報道されている。内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」がとんでもない 内容を公表したというのだ。TPP交渉を主導するアメリカとニュージーランド両国の担当者たちの公電による会話内容が暴露され、「TPPは、日本と韓国を潰すのが目的である」と明らかにされたのだ。暴露された内容によると、ニュージーランド・外交貿易省に所属するマーク・シンクレアTPP首席交渉官は以下のように公電で話をしたという。
「TPPが将来的にアジア・太平洋環地域の商業的統合に向けた基盤になるであろう。もし、発足当初のTPP加盟8カ国で、絶対的標準に合意できれば、日本、韓国や他の国を押しつぶすことが可能であり、それ(日本、韓国潰し)が長期的スパンの目標だ」
この「ウィキリークス」の情報が何処まで本当か、本稿では敢えて触れな いことにする。
だが、これらの都市伝説の根底には、余程の決意を持って臨まねばTPP参加は亡国につながるでは? という国民の不安が流れていることがわかる。(逆に考えれば、アメリカの場合は、TPPに参加しないと自身が滅ぶかもしれないと不安に思っているのかもしれない)
少なくとも、かつて良き兄貴分であったはずのアメリカは、日本に経済戦争を挑むぐらいの気迫で来ているのは事実であり、官僚崩れや二世、三世の甘ちゃん議員たちで何処まで戦えるのか、不安は拭えない。(山口敏太郎)