1977年の第1回大会から現在まで、毎年行われているこの花相撲(2011年の第35回は八百長問題の影響で開催中止)。ここまでの大会最多優勝記録は「4回」となっているが、実は4名の力士がそれぞれ記録している。
■千代の富士(元横綱/1983年・1986年・1987年・1989年)
昭和を代表する横綱の1人として、今なお根強い人気を誇る千代の富士。1983年に初優勝を飾ると、その後の6大会で3度頂点に立った。なお、1987年第11回の優勝は、弟弟子である北勝海(元横綱、現日本相撲協会理事長)との対決を制して勝ち取ったものである。
■曙(元横綱/1991年・1994年・1995年・1998年)
外国出身力士初の横綱である曙は、平成初期に4度の優勝をマーク。ちなみに、大会は1986年第10回から2002年第26回までトーナメントが2日間組まれていたが、1998年第22回の曙は両日共に優勝している。
■朝青龍(元横綱/2004年・2006年・2007年・2008年)
曙、貴乃花、若乃花、武蔵丸が紡いだ4横綱時代の後、土俵の中心に躍り出た朝青龍。25回賜杯を手にした本場所はもちろん、花相撲でも4度の優勝を記録しており、2006年第30回から2008年第32回にかけては史上初の3連覇を成し遂げてもいる。
■白鵬(横綱/2005年・2009年・2012年・2016年)
最多タイで並ぶ4力士の中で、ただ1人単独トップに立つ可能性を残しているのが現役の白鵬。4名の中では唯一連覇の経験がないが、息の長さでこれをカバーし肩を並べている。今年は初戦となる2回戦で平幕栃煌山に敗れたが、来年以降の大会でその数字を伸ばすことはできるだろうか。
以上を見ても分かる通り、最多タイ記録を保持する4名はどの力士も隆盛を誇った名横綱。花相撲でも全力で頂点を狙いに行く姿勢が、本場所の強さにもつながっているのかもしれない。
文 / 柴田雅人