沼田被告は夜道で面識のない佐藤さんを追跡し、コンバットナイフで滅多刺しにして殺害。その後出頭しているが、公判ではその呆れた動機が明らかになっている。
《自分の人生をリセットする為に、誰かを殺して刑務所に行こうと。自分の今までやって来た事、築き上げてきた事、過去、全て、台無しにする、という意味です》(沼田被告)
事件当時、20歳の若さで「人生のリセット」とは、よほどの事があったのか? と思いきや…。
「検察側の冒頭陳述によれば、被告は大学入学の翌年、好意を寄せていた女性が自分の友人と交際することになったと知り、学校を休みがちになった。その直後、追試を受けずに留年が確定したため、他人を殺害しようと思い立ったとのことです」(傍聴した記者)
女にフラれ、留年確定で刑務所行きを考えた揚げ句、見ず知らずの女性を殺めるという身勝手さ。
さらに沼田被告はこうも語っている。
《刑務所に行きたいっていうのとはちょっと違って、こんな自分は刑務所に向いてるんじゃないか、ということで。社会から隔離されてて毎日同じことやってくだけ、そういうイメージ。そういう所に行けば、何もめんどくさいことないんじゃないか、ただ同じこと続けてるだけでいいんじゃないかと考えました》
動機も浅ければ、罪に対する意識も希薄だ。
検察官「強盗致傷罪でも服役できますけど、そういうので刑務所に行けるとは思わなかった?」
沼田被告「確実に懲役刑になるのは殺人だと思いました。殺人はイメージとしては卑劣ではない」
十分に卑劣だ。