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妻を殺した息子と手伝った母と逆ギレの父 裁判員が下した異例の判決

 「喉仏は苦しむから頚動脈がいいよ」

 実の息子から妻の殺害計画を打ち明けられたら、あなたはどう答えるだろうか。

 ほとんどの親は実家に監禁してでも止めるはずだが、このたび判決が下された母親は、冒頭のようなアドバイスを息子に送っていた。

 昨年3月、妻の麻衣子さん(30=当時)を殺害して茨城県取手市にある実家の敷地内に遺体を埋めたとして、殺人と死体遺棄などの罪に問われていた元銀行員・弥谷鷹仁被告(37)と母親の恵美被告(64)に、懲役15年(求刑懲役17年)、懲役7年(求刑懲役6年)の判決が言い渡された。

 「恵美被告への判決は、求刑を上回るものでした。嫁の遺体を埋めるため、あらかじめスコップを購入。掘り終わった後は鷹仁被告の汗を拭き、麦茶を出したことも明らかになっています。さらに死体遺棄後、鷹仁被告からLINEで感謝を伝えられると、『そう言って貰えるとおかんも救われる』と返答。この親子のあまりの異常さに、裁判員たちも異例の決断をしたのでしょう」(全国紙記者)

 2人に対する裁判員裁判は、今年5月から千葉地裁(岡部豪裁判長)で開かれていた。鷹仁被告は法廷で、「子どもが殺されると思い、守るためだった」と主張。自身も麻衣子さんに普段から暴力を振るわれていたと訴えたが、判決では鷹仁被告本人も麻衣子さんに暴力を振るっていたことや、子どもへの暴力は、普段世話をしていた麻衣子さんの母親が確認していないことなどが指摘されている。

 異常なのは母親だけではない。情状証人として証言した鷹仁被告の父親も、驚くべき発言を繰り返した。

 遺族への謝罪をしたかどうか尋ねられ、「謝罪しようとしたら断られました」と返答。謝罪する気があるか、再度問われると「いくら努力しても、相手が拒絶したらどうやって謝ればいいんですか!?」と逆ギレ。果ては、「鷹仁はアメリカ生まれなので、パスポートがあるアメリカの市民権を取らせたい。日本では社会的制裁があり、レッテルがつくが、アメリカなら彼のためになるのでは」と話したのだ。

 判決の言い渡し後、裁判長は4分間にもわたって恵美被告を諭した。

 「息子さんに、『今回の犯行に命をかけた』と言っていたが、今度は償うことに命をかけてください」

 親の意見と冷や酒は後で利くというが、この一家に裁判長の言葉は利くのか。

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