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COWCOW(多田健二、善し)は、かつて漫才を武器にルミネtheよしもとで「劇場番長」と呼ばれたお笑いコンビ。世間では「あたりまえ体操」で脚光を浴びたが、『R-1ぐらんぷり』では多田が優勝、善しも4年連続決勝に進出するなど、それぞれの実力は折り紙付きである。
結成25周年を迎え、単独ライブ『COWCOW 25th LIVE 〜あのひとはFinally ぼくらはAnniversary〜』を開催する彼らに、ネタのことや世界進出した際の話など、たっぷり語ってもらった。
ーー結成25周年の記念ライブ。まずはテーマを教えてください。
多田:ざっくりと言うと今までの集大成。過去の代表的なネタ、リニューアルしたネタ、“やりたい”と思ったネタ、最近作ったネタなど、僕たちのネタを全部出し切るという感じです。漫才やコントはもちろん、歌ネタやジャンルに囚われないネタ、VTRも楽しんでいただけるようにしています!
ーーCOWCOWさんのネタにある「あたりまえ体操」や「こういう人知りません?」などは、やはり単独ライブだからこそ披露できるものなのでしょうか?
多田:やっぱり歌ネタは普通の寄席ではできないというか、漫才が名刺代わりというか……。漫才はアーティストでいうシングルなので、アルバムに入っている歌は単独ライブでしかできませんからね。だから今回の単独ライブでやっとお見せできるというか、“時が来たな”という感じです。もちろん漫才もやるんですけど、僕らはいろんなネタを持っているので、すべてを皆さんに見てほしいです。
ーー多田さんがおっしゃるように、COWCOWさんのネタは本当に多種多様だと思います。どのように作られるんですか?
多田:僕が思いついたものを「こんなんしたいねんけど」って相方に相談して「それは漫才でやらずにコントでやったらえんちゃう?」とか「曲つけてこういうキャラクターの設定でやろう」とか言いながら2人で作り上げる感じですね。
ーー善しさんは多田さんから相談を受けて、“こうした方がいい”というのが見えるんですか?
善し:見えるというより、いろんな方向性があるというか、漫才とかコントよりは、絵を使って見せるとか、音を使ってみるとか、特にボケ・ツッコミがないようなコントもあるので、もともとの素材を一番見やすい形で……ということなんですかね。音を作るってなると「あたりまえ体操」で関わってくれた樋口太陽っていうのがいてるんで、そんなにハードルも高くないですし、絵を描くとなったら僕が描きますし。
ーー「あたりまえ体操」など、外国の方が喜ばれるネタも制作されています。日本人との反応の違いなどはありますか?
善し:海外の人も分かりやすく説明すると笑ってくれるイメージですね。実は「あたりまえ体操」は、単独ライブ以外でお客さんの前でやったのって韓国が初めてなんですよ。
ーーそうなんですか?
善し:当時、韓国で『お笑い日韓戦』ってゴールデン番組があったんですよ(笑)。事前に向こうの番組の方に、僕らのネタのVTRを見せたら「あたりまえ体操いいじゃないですか」って言われまして。僕らは「え?」って感じなんですけど、いざやってみたらお客さんの反応がすごくあったので意外でしたね。
ーーインドネシアのテレビにも出演されましたが、やはり日本のテレビとは見せ方が違うものなのですか?
善し:基本生放送で、収録しても撮って出しなので、ドリフの『全員集合!』のような昔の日本の番組みたいでした。
多田:ある音楽番組で、僕ら芸人ではなくアーティストとして呼ばれたんですけど、出番が終わって楽屋に帰ったら、すごいイカつい男性がいて、向こうの方に聞いたら「アフマッド・ダニさんってインドネシアのNo.1ロックスターだよ」と言われまして。こっちでいう矢沢永吉さん的な……そのNo.1ロックスターと僕らが楽屋一緒やったっていう(笑)。
ーー(笑)。今回の単独ライブはコラボレーションもあるとお聞きしました。
多田:サンリオさんとグッズを出させていただきます。ありがたいことに僕らのネタとのコラボで、「アイアンメイシン」とキティちゃんのコラボTシャツとか、「うたの鬼ぃさん」とゴロピカドンのコラボグッズとか……本当に夢のようで(笑)。限定の数でやらせてもらいますので、皆さん早めにチェックしていただきたいです。
ーーどういう経緯でコラボレーションが決まったんですか?
多田:“キティちゃんはどんな仕事でも断らない”っていうネットニュースを見て、「え? そうなん?」みたいな(笑)。僕らの仕事も断らんのかなと思って直接連絡したら、担当者の方とお会いすることになって、「ぜひやらせていただきます」という感じで。
善し:キティちゃんは昔から馴染みのあるキャラクターですし、ウチのオカンがサンリオさんのファンクラブに入っているので、誰よりもオカンが一番喜んでいるでしょうね(笑)。
ーーCOWCOWさんのファンはもちろん、サンリオファンの方にも喜ばれそうですね。
多田:ライブに来てくださる方が購入できるのですが、グッズ目当てで僕らを観にきて、COWCOWを知ってもらえたらそれはそれでありがたいです。
ーー最後に一言お願いします!
善し:25年の中でも一番観てもらいたいライブです。何年かして「あのライブ観たよ」って言われたら相当優しくします(笑)。もちろん、この後もいろんなことをしていくので、そちらにも続けて来てほしいです。
多田:集大成なので満足していただけると思います。今回、“25万円ペアシート”(豪華ホテルの宿泊付ペアチケットとその他特典付)を用意したのですが、ありがたいことに売れたり、相方が25キロのダイエットに挑戦して、なんばグランド花月で計測したり、内容以外のところも充実しています。これを観に来ていただかないと「ほか何を観てくださるんですか?」という感じなので(笑)、よろしくお願いします。
(インタビュー終わり)
豪速球のストレート、大きく落ちるカーブ、鋭いスライダーなど、多彩な笑いの変化球を客席に投げ込むCOWCOWの単独ライブ。一度ハマったら抜け出せない彼らの真骨頂のネタを、あなたも目撃してみてはいかがだろうか?
【イベント概要】
『COWCOW 25th LIVE 〜あのひとはFinally ぼくらはAnniversary〜』
会場:ルミネtheよしもと
日時:2018年11月17日(土)
開場19:00/開演19:30/終演21:30(予定)
前売¥3,000/当日¥3,500
会場:なんばグランド花月
日時:2018年12月9日(日)
開場18:40/開演19:00/終演21:00(予定)
前売¥3,000/当日¥3,500
(取材・文:浜瀬将樹)