「ヤフーファイナンス」は日本最大級とも呼ばれる金融ポータルサイトで、各社によって配信される記事は国内外企業の株価や指標といった経済情報に関する内容がほとんど。そのサイト内に7日、「プロ野球・DeNAのパットン投手が8月3日の巨人戦(横浜スタジアム)で同点打を浴びた降板後、悔しさのあまりベンチに置かれている冷蔵庫を両手で殴り負傷。」と、金融とは無関係に思えるDeNAの投手・パットンに関する記事が掲載された。
というのも、“パナソニック株が6日ぶりに反発”した理由が、「パットン投手に殴られたパナソニック製の冷蔵庫『SSR-DX170N』型(販売価格27万8640円)は無事だったと各メディア(から)伝えられたことで、思惑的な買いも入っている」からだというのだ。
パットンは3日の巨人戦で2点リードの8回に登板するも、1死も取れないまま同点打を浴び降板。各メディアの報道によると、交代後、パットンは怒りに任せてベンチ内の冷蔵庫を両手で複数回にわたり殴打したという。
また、その後の続報では、パットンがこの際に右手の小指を骨折していたことが発覚。これを受けパットンは治療のため7日に母国アメリカへ一時帰国したが、シーズン中の復帰は絶望的であると伝えられている。
さらに、一部のメディアでは、この冷蔵庫がパナソニック製であることや、「身長185センチ・体重91キロ」と大柄なパットンに殴られても故障しなかったことを、驚きをもって報じている。この報道を受けてネットでは、「あれだけ殴られても壊れないとか頑丈すぎ」、「数十万もする冷蔵庫だから、やっぱり作りもハイスペックなんだな」といったコメントが見受けられた。
思わぬところで、その性能の良さが話題となったパナソニック製の冷蔵庫。この評判を受けて、パナソニックの株価が上昇したと「トレーダーズ・ウェブ」は推測したようだ。
この、試合結果から想像もつかない流れを受けて野球ファンからは、「ここ最近で一番笑った」、「サイトの他の記事はお堅い内容なのに、これだけ毛色が違いすぎる(笑)」、「パナソニックはパットンにCMをオファーした方がいい」、「株始めてみようかな」といった好意的な反応が寄せられている。
パットンの怒りとパナソニックの株価が本当に関連しているのか…真偽は不明だ。しかし、いずれにせよパナソニックにとっては、思わぬ“特需”となったのではないだろうか。
文 / 柴田雅人