10月8日の東京・両国国技館大会で曙とのシングル戦に臨むミラノは危機感を募らせていた。
カード発表直後から曙対策として独自の相撲トレーニングを行ってきたが、スパーリングパートナーに迎えた相撲レスラー昼青龍が思いのほか背が小さかったことから、練習が身にならず。さらには、ここにきて十八番のサブミッション「パラダイスロック」が超ポッチャリ体型の曙にはかからない可能性があることに気付いた。
「そういえば曙がバケモノだったことを忘れていました。なにか策を練らなければ…」。このままでは体重差114kg決戦に苦戦を強いられることは必至の情勢。むしろ曙の圧力に圧倒され、ペッチャンコに圧殺されてしまうことになる。
そこでミラノは決戦まで残り1週間、対曙に向け肉体改造を行うことにしたという。「曙とオレでは車で言えばフェラーリとダンプカーぐらい差がある。今後ヘビー級で闘っていく上でも、いま96kgの体重を100kg超までには上げないと」。そのためにミラノはビルドアップを考えているのだ。
「試合まで時間がないが、オレは一気に体重を上げる方法を知ってるぜ。あのじゃがいも(曙)とやるにはオレもポテチを食べまくる。それであのコンソメパンチパーマ野郎(曙)に勝ってやるのさ」。決戦までポテトチップスだけの極限生活を送り、急激なビルドアップをはかろうというのだ。
「両国は曙のホームだけど、ヤツはそこで苦汁をなめることになる。まあ、ポテチの食いすぎで曙にオナラ攻撃しちまったら、それは知ったこっちゃないぜ。ハッハッハ」。そう豪快に笑い飛ばすと、パンツ一丁のミラノは黒いボクサーパンツをマワシのようなカタチに成形にして曙を挑発。微笑を浮かべ去っていった。