山梨県の中央市教育委員会は11月12日、市立玉穂中学校に勤務する50代の女性教諭が、職員室のパソコンで管理されている生徒約130人分のテスト結果を持ち出して、自宅で同級生の自分の子どもに見せていたことを明らかにした。
市教委によると、外部に持ち出されたのは、同じ学年の全生徒の1学期中間、同期末、2学期中間試験の最大7科目のテストの結果と氏名が記載された一覧表。
教諭は自宅居間の机の引き出しに資料を保管していたが、子どもがそれをデータ化し、メール送信するなどして、生徒8人に流出した。そのうちの1人の生徒が担任に相談し、テスト結果が流出していたことが判明した。
資料はシュレッダーで処分したため、教諭は他の生徒に情報が漏れていたことを知らなかったという。
教諭は市教委の聞き取りに対し、「(自分の子どもの)生活態度や学習状況が心配で、指導するためだった。取り返しのつかないことをした」と話している。
市教委の笹本昇教育長は「生徒や保護者に多大なご心配とご迷惑をかけ、誠に申し訳ありません」と陳謝した。
私的な目的で個人情報を無断で持ち出したことは問題だとして、市教委は教諭への処分を検討している。「流出データは全て消去した」と説明したが、すでに流出してしまったものを、なかったことにはできない。
(蔵元英二)