橋下知事は21日に関西電力の八木誠社長と会談。30分の予定が1時間20分を超えるほどの激論を戦わせ、今夏の節電の協力態勢を確認したが、原発の長期的な展望については物別れに終わった。
「節電することで将来的に原発依存を下げる」とする橋下知事に対し、八木社長は消極的どころか「これから先も原発はエネルギーの基盤に変わりはない」と主張。根本的な部分で平行線を辿っている。
こうなるとただで引き下がらないのが橋下知事。「株主提案していくことになるでしょうね」とニンマリだ。
橋下知事は今秋に行われる府知事、大阪市長のダブル選挙で市長選に鞍替え出馬するとみられている。大阪市は関西電力の約9%の株を保有する筆頭株主だけに、自ら市長ポストに座り、「株主提案」というウルトラCで経営方針を変えさせようというわけだ。
現在、大阪市の平松邦夫市長も脱原発を八木社長に訴えはしているが、株主提案までは「するつもりはない」と明言している。これがはがゆくてたまらない。平松市長と橋下知事の対決なら結果は火を見るより明らか。「脱原発」を掲げて市長になったあかつきには、個人株主の委任状をかき集め、株主総会で八木社長に引導を渡す…これがしたたかな橋下知事のシナリオのようだ。