大企業ならともかく、人員が少ない中小企業は定休日以外に数日間、休みを取られると、デメリットだけになり、国の保障も無い。欠勤扱いにしたい経営者の考えもこの不況の中、理解は出来るが、あまりにも理不尽である。このようなケースは国側が予め想定しておくべきで、ロクな対策が取られていなかったのは、この法律を作った人がどれだけ「実体経済」を知らなかったということを露呈している。施行から時間が過ぎ、裁判員制度が始まった当初より表向き反対する人が少なくなってるような印象があるが、むしろ賛成する人の意見に反対派の声がかき消されてるような印象だ。
ある関係者から聞いた話だが、「法律はまず作ってみて、それから修正していく」どの法律にも不備があるため、現状に合わせて随時、修正を重ねていくが、裁判員制度については、修正するスピードがあまり遅いと言わざるを得ないだろう。国民のため…という大義名分が利益になるどころか、不利益になっているのは、悲しいことだ。
有給制度が定着しているように見えても、未だに休めない人が多いのが実情なのに、その点についても何のメスも入れられていない。休みの環境が整っていないにも関わらず、会社を休まざるを得ない裁判員制度の根幹自体が問われている。本来は特別休暇扱いにすべきで、休みを消化してまで参加する意味は無く、有給扱い、欠勤扱いは明らかに違法とすべきだろう。
また、裁判員制度は、「一部の意見」だけで始めており、反対する立場の意見はまったく尊重はされていないこともあり、安易に定着を狙う姑息な方法は止めて、この法律そのものを再度、検討すべき時期に来ている。